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Jリーグ 2年前

横浜F・マリノス背番号23が取り戻し始めた「得点王になったときの感覚」とは? 仲川輝人が見せた新たなアタッカー像【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

セレッソを翻弄する仲川輝人



 未知数な状況の中で試合が始まったが、マリノスは立ち上がりから一気にゲームを支配。背番号23もアグレッシブに前へ出る。それを象徴したのが、開始2分の初シュート。水沼宏太からのサイドチェンジに反応し、ペナルティエリア内で強引に持ち込んで左足を振り抜いた。この一撃は惜しくも松田陸に防がれたが、「自分が点を取ってやるんだ」という野心が色濃く表れていた。

 その後もマリノスはハイプレスと素早い攻守の切り替え、前への推進力でセレッソを圧倒。仲川のサイドは清武弘嗣・松田の強力コンビにほとんどボールを触らせず、相手陣内に追い込んだ。守備に忙殺された相手をあざ笑うかのうように、背番号23はインサイドとアウトサイドをうまく使い分け、細かい崩しを繰り返し披露する。そのキレと鋭さは確実に相手の脅威になっていた。

 だからこそ、前半のうちからゴールを挙げ、相手にプレッシャーをかけたかったのだが、逆にリスタートの隙を突かれて前半終了間際に1点を献上。まさかのビハインドを背負って試合を折り返すことになる。後半8分にはマルコス・ジュニオールが西尾隆矢に倒され、待望のPKを得たが、名手のキム・ジンヒョンがこれをストップ。どうしても1点を奪えず、嫌なムードも漂った。

 そこで、ケヴィン・マスカット監督は勝負の一手に出る。

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