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日本代表 2年前

どう生き残りを図るか? 久保建英はサッカー日本代表15試合0ゴール。東京五輪世代で合格点を出せるのは?【コラム/W杯アジア最終予選】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

あってはならない失態



 期待の東京五輪世代も、最前線の上田綺世には思うようにボールが入らず、右の久保はインサイドへのドリブル突破を相手に読まれ、囲まれる場面が続いた。左インサイドハーフに入った代表デビューの旗手怜央は持ち前のダイナミックさの一端は示していたものの、中盤3枚のバランスの取り方に苦慮する。

 待望の最終予選初先発となった左サイドバック・中山雄太もインテンシティが上がり切らない。縦関係を形成する三笘に大きなスペースを空けようと、自らは敵陣深い位置まで攻め上がるのを躊躇した部分もあったのだろうが、積極性という部分では物足りなさを感じさせた。

 唯一、三笘は圧倒的な個の力で相手守備陣を何度も打開し、「戦術・三笘」と言っていい状況を作った。が、肝心のフィニッシュに直結する仕事は果たせていない。

「自分の周りに怜央と綺世と雄太君がいてすごくやりやすかったけど、怜央と綺世とは距離感が遠かった。雄太君とも2人で崩しに行けるようなところをもっと増やしてもよかった」とオーストラリア戦で殊勲の2発を叩き出した男も反省しきりだった。

 攻撃面で並に乗れないことで嫌なムードが漂い、前半20分のリスタートから失点してしまう。左CKに反応し、流れてきたグエン・タイン・ビンを捕まえきれず、吉田と中山の間に入られるというあってはならない失態を犯したのだ。「マークのつき方ではなくて守備の仕方がうまくいかなかった」と吉田は個人のミスではないことを強調したが、レギュラー取りを虎視眈々と狙っていた中山は落胆が大きかったことだろう。

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