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Jリーグ 2年前

「慣れが慢心に」。低迷するヴィッセル神戸に抱く選手たちの本音。新加入・橋本拳人は何を感じたのか?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

ヴィッセル神戸は主導権を握ったが…



 こうした中、迎えた6日夜のFC東京戦。9戦目にしてリーグ初勝利を奪いに行った神戸の入りは悪くなかった。酒井と汰木康也で形成される左サイドに最前線の大迫勇也も絡み、入りの悪い相手を攻略。長友佑都のクリアミスも重なって、前半11分には山口蛍が待望の先制点を挙げることに成功した。

 守備陣も最後尾の前川黛也、最終ラインの統率役である槙野を軸に凄まじいコーチングで意思統一を図るシーンが再三見られ、「前半は完全にこちらが主導権を握った」とリュイス監督が断言するのも頷ける状況だった。

 ところが、後半に入り、FC東京がプレースピードや強度のギアを上げてくると、神戸は受け身に回るようになる。そして開始9分、不用意な形から同点弾を与えてしまう。

 長友のスローインから素早く展開し、右の渡邊凌磨が持つと永井謙佑が敵の背後へ。神戸は大崎玲央の反応が遅れ、ペナルティエリア深い位置まで侵入されたのが痛かった。この時、菊池流帆の位置が中途半端になり、右の山川哲史もゴール前にカバーに入ったため、大外がガラ空きになった。そこにすかさず飛び込んだのが、アダウイトン。永井のクロスを受けたFC東京の背番号15はラクラクとゴールを決めることができた。

 この1失点で神戸は急に浮足立ち、バタバタとし始めた。汰木は苦い表情を浮かべて、試合を振り返る。

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