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Jリーグ 2年前

「慣れが慢心に」。低迷するヴィッセル神戸に抱く選手たちの本音。新加入・橋本拳人は何を感じたのか?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「あんなに簡単に失点していたら勝てる試合も勝てない」

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【写真:Getty Images】



 後半アディショナルタイムの山下敬大の4点目こそOFR(オンフィールドレビュー)を経て取り消され、これ以上の失点を重ねないで済んだが、終わってみれば1-3の黒星。京都戦と同じような展開になり、大迫や山口らは天を仰ぐしかなかった。

「あんなに簡単に失点していたら勝てる試合も勝てない」と汰木が頭を抱え、「いい時間帯、悪い時間帯はどのチームにもある。でも2試合連続3失点というのは確かに多すぎる。まずは守備の安定を図ることが第一」と古巣相手に神戸デビューを飾った橋本も神妙な面持ちで話した。

 不安定な守りを改善しない限り、暫定順位17位という深刻な状況から脱するのは難しい。9戦5得点15失点・得失点差-10というのはリーグワースト。今は厳しい現実を直視するしかない。

 クラブはセレッソ大阪や清水エスパルスを率いたミゲル・アンヘル・ロティーナ監督招聘に動いていると言われ、近日中に新体制で再始動するという。守備のオーガナイズ構築を得意とする指揮官への期待が大きいのも理解できる。ただ、彼の戦術や哲学浸透には相応の時間がかかるのも事実。清水ではその結果、1年も持たずに解任に追い込まれている。J屈指の豪華タレント集団の神戸といえども、すぐに好結果が出ない可能性が少なくない。

 加えて言うと、ACLグループリーグが間近に迫る彼らには時間的余裕がない。だからこそ、山口や酒井、槙野、大迫や高度な国際経験を持つ選手たちが中心となってもっともっと意見をぶつけ、やるべきことをすり合わせ、一体感を再構築することが肝要だ。彼らの底力を今一度、見せてほしいものである。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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