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「練習できる環境ではなかった」。横浜F・マリノス指揮官が嘆く、ベトナムの過酷な“洗礼”とは?

text by 編集部 photo by Yokohama F.Marinos

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ケヴィン・マスカット
【写真提供:横浜F・マリノス】



ケヴィン・マスカット監督が苦言を呈したのは…

 横浜F・マリノスは16日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ初戦でホアンアイン・ザライ(HAGL)を2-1と下した。



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 多くの選手たちが「なんとか勝ててよかった」と口を揃え、安堵感を漂わせていた。一方でDF松原健が「自分たちのサッカーとはなかなか言い難い内容でした」と語ったように、満足のいくパフォーマンスでなかったのも事実だ。

 結果が求められる公式戦の場で言い訳は禁物だが、言い訳できる材料は豊富にあった。ケヴィン・マスカット監督も「正直に言うと、こちらに来てしっかりと練習できたのは一度だけです」とHAGL戦後の記者会見で想定以上の準備不足を嘆いていた。

 いわゆる“アウェイの洗礼”とでも言おうか。とはいえマリノスが浴びたのは大量の雨だが……。

 ACLグループHの開催地であるベトナムは乾季から雨季への変わり目で、日中は1年で最も熱い時期。さらに夕方には頻繁にスコールで大雨が降る。マリノスはこうした気候の影響をモロに受けてしまった。

「練習場に往復3時間もかかったり、グラウンドに水溜りが溜まっていて(戦術的な)練習ができる環境ではありませんでした」

 宿泊先のホテルからバスで片道1時間以上かかるグラウンドが割り当てられ、そこで練習中に大雨に襲われる。あまりに遠いため、市街地に近いグラウンドに変更してもらっても大雨が降って走り中心のメニューに変更を余儀なくされた。

 まとまった量の戦術練習ができたのは前日のみ。その日は移動に時間がかかることを受け入れ、さらに大雨が降るかもしれない夕方を避けて暑い午前中の練習に変更して、ようやくチーム全体で戦術を確認するに至った。

 センターバックとしてHAGL戦に先発出場したDFエドゥアルドは「そんなに長い期間ではないけど、ベトナムに入ってからはすごく難しい環境で、トレーニングの時に大雨が降ったりして、なかなかしっかりとした戦術的な練習ができていなかった。でも、そういう環境や気候に慣れている相手に、こうしてしっかり勝てたのが何よりもよかった」と語る。

 これからも現地の気候との戦いは続くだろう。暑さを避ければ大雨のリスクがあり、大雨を避ければ暑さに立ち向かわなければならない。こうしたサッカー以外の困難とも向き合いながら、マリノスはグループステージ突破を目指す。

(取材・文:舩木渉)

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