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なぜ? “重鎮”がサッカー日本代表に招集されず。それぞれの事情とは?

text by 編集部 photo by Getty Images

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大迫勇也 酒井宏樹
【写真:Getty Images】



大迫勇也と酒井宏樹、日本代表メンバー外の理由とは?

 日本サッカー協会(JFA)は20日、6月の4連戦に向けたサッカー日本代表メンバーを発表した。



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 28人の招集選手の顔ぶれはカタールワールドカップアジア最終予選を戦ったメンバーが中心だった。しかし、FW大迫勇也とDF酒井宏樹という長くチームの中心を担ってきた重鎮2人は選ばれなかった。

 理由はそれぞれ違う。酒井は今年3月から痛めていた右足第5中足骨の手術に踏み切ったことが明らかになっていた。所属する浦和レッズは今月4日に「全治は約2ヶ月の見込み」と発表している。

 同じ日に酒井は自身のインスタグラムを更新し、「手術まで長引いてしまいましたがACLが僕の移籍した時の目標だったので後悔は全くありませんし、それを汲んでプレーさせてくれたチームにとても感謝しています」とつづった。

 今季はレッズでJ1リーグ戦7試合とAFCチャンピオンズリーグ(ACL)3試合に出場して安定感あるプレーを披露していたが、6月の日本代表活動に参加できないことは事前に判明していたことになる。

 一方で、大迫はヴィッセル神戸でJ1リーグ戦10試合に出場して1得点1アシスト。ACLでは予選プレーオフも含めて5試合に出場し3得点を挙げていたものの、期待されたほどの結果を残せていなかった。理由はコンディションにあったようだ。

 日本代表を率いる森保一監督は20日に行われた記者会見の中で「コンディション的には100%ではないということを聞いています」と明かした。

 今月14日のサガン鳥栖戦で今季リーグ戦初ゴールを挙げた大迫は、直近18日の川崎フロンターレ戦をベンチ外で欠場していた。森保監督は「おそらく痛みを抱えながら、100%でないところを、何とかチームのために勝利に貢献しようとかなり無理をして試合に出ている状況だと思います」と説明する。

 そのうえで「その姿勢は素晴らしいと思いますが、反面、コンディションが100%になっていないということ」と述べた。「長くチームを引っ張ってきてくれた存在」と指揮官からの信頼は揺らいでいないが、コンディション不良によってメンバーから外さざるを得なかったようだ。

 これまでの日本代表は1トップの大迫に強く依存した戦いでワールドカップ予選を勝ち抜いてきた。エースストライカー不在で挑む6月の4連戦では、カタールワールドカップ本大会に向けて新たなオプションを確立する機会にしなければならない。

 セルティックで公式戦20得点を達成したFW古橋亨梧や、そのチームメイトであるFW前田大然、そしてJ1リーグで得点ランキング首位タイの8得点を挙げているFW上田綺世がチャンスをつかみ、大迫に代わる最前線のキーマンとなることが期待される。

 森保監督も「大迫抜きで戦った時に、チームとしてはいろいろな選手にチャンスがある」と、招集したストライカーたちに奮起を促す。

 さらに「ここがチャンスだと思っている選手に思い切りプレーしてもらい、代表の戦力として成長してもらえればなと思います。チーム全体のレベルアップをするためにもいい機会だと思いますので、オプションを作るということと、どの選手がアピールしてくれるのか楽しみに活動したい」と語った。

 カタールワールドカップ本大会まで半年を切ったこのタイミングで、新エースに名乗りをあげる選手は現れるだろうか。日本代表は6月2日にパラグアイ代表、同6日にブラジル代表、同10日にガーナ代表、そして同14日にチュニジア代表かチリ代表のいずれかと対戦する予定となっている。

【了】

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