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Jリーグ 2年前

いよいよ覚醒か。“96年世代の先駆者”が鹿島アントラーズ撃破の原動力に。FC東京の背番号23が制した駆け引きとは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

渡邊凌磨の「次につながる」2得点

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【写真:Getty Images】



 今季の渡邊はシーズン当初は右サイドバック(SB)で出場することが多かった。「どこのポジションでも100%でやることは変わらないけど、もともと攻撃の選手なので、得点に絡みたいという気持ちがすごく強かった」と本音を吐露する。その後、長友が右SBに定着。渡邊は一列前に上がったが、なかなか得点という結果を残すことができなかった。

「ルヴァンカップから決められそうで決められない試合が多かった。『何とか1点でも』という気持ちでやってきた結果、2点という形になってよかった。中に入るプレーは前節・清水(エスパルス)戦からタイミングをつかみながらやっていた。それがうまくいったのは次につながると思います」と彼自身も武器であるシュート力を発揮する術を徐々に見出しつつあるようだ。

 もともと渡邊は2013年のU-17ワールドカップ(W杯)に参戦したメンバーの1人。当時は杉本太郎と並ぶエース格の1人だった。前橋育英高校時代は高校サッカー選手権準優勝を果たし、早稲田大学進学直後にドイツのインゴルシュタットへ。そこで3シーズンを過ごして日本に復帰し、アルビレックス新潟、モンテディオ山形を経てJ1に個人昇格してきた。10代の頃から潜在能力の高さに定評のあった選手が表舞台に出るまで時間を擁したのは、こういった道のりを歩んだからだ。

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