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日本代表 2年前

三笘薫にはない武器を相馬勇紀は持っている。サッカー日本代表「当落選上よりさらに下」からの逆転W杯行きは可能なのか?【コラム/E-1サッカー選手権2022】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Shinya Tanaka

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サッカー日本代表は19日、EAFF E-1サッカー選手権で香港代表と対戦し、6-0で勝利した。海外組が大部分を占める日本代表において、Jリーグ勢で構成された今大会のメンバーからワールドカップ本大会に滑り込むのは至難の業だろう。その中で、「当落選上よりさらに下」と客観視する相馬勇紀は、香港代表戦で自身の価値を証明している。(取材・文:元川悦子)


サッカー日本代表に喉から手が出るほど欲しい存在


【写真:田中伸弥】

 カタールワールドカップ(W杯)まで4か月に迫った日本代表にとって、今回のEAFF E-1サッカー選手権は数少ない選手底上げの場。「国内組から1人でも2人でも使える戦力を引き上げたい」というのは、森保一監督の本音だろう。19日の香港代表戦に挑んだ面々は、チームの勝利を追及しつつ、自身の強みと価値をしっかりとピッチ上で示す必要があった。

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 32歳にしてA代表デビューとなる水沼宏太を筆頭に、初キャップ5人がスタメンに陣取る中、最初に強烈なインパクトを残したのが、左FWの相馬勇紀だった。開始早々の2分、相手のハンドによってペナルティエリア外左寄りの位置で得たFKを右足で冷静に沈め、電光石火の先制点を奪ったのである。

「欲を言えば、もう少しスピードを上げて、いいコースに飛ばしたかったのはあるんですけど、今年チームでも1点決めていて、あそこの角度はすごい自信を持っている。ゴールはゴールなので、1つ決められたことはよかったです」

 本人は嬉しそうにこう振り返ったが、リスタートからの得点というのは、日本代表の大きな課題。最終予選からはセットプレーコーチをつけ、徹底分析を重ねているが、なかなかゴールにつながっていないのが実情だ。

 2010年南アフリカW杯を振り返っても、本田圭佑と遠藤保仁がデンマーク戦で立て続けに直接FKから得点したことで、どれだけ楽になったか分からない。「ひと蹴りでゴールできるキッカー」というのは、短期決戦のW杯では喉から手が出るほどほしい。相馬はまずその可能性を見せたと言っていい。

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