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満田誠をサッカー日本代表に導いた2人の指導者とは? 「自分にすごく合っている」サンフレッチェ広島で急成長【E-1サッカー選手権2022】

text by 編集部 photo by Getty Images

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【写真:Getty Images】



サッカー日本代表初招集。満田誠に影響を与えた2人の指導者とは?

 EAFF E-1サッカー選手権決勝大会に出場しているサッカー日本代表。19日に行われた初戦の香港代表戦では7人がA代表デビューを飾った。



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 次にチャンスをつかむのは誰か。サンフレッチェ広島での活躍が認められて初招集されたFW満田誠は、24日の中国代表戦で日本代表デビューが有力な選手の1人だろう。21日にオンラインで取材に応じた23歳のアタッカーは「練習からアピールして、少しでも多くの時間に出場して、結果を出せたら」と意気込みを語った。

 広島で大卒1年目のシーズンに挑んでいる満田は、リーグ戦19試合に出場して5得点5アシストと多くのゴールに絡む活躍を披露。そのパフォーマンスが目に留まり、日本代表初招集となった。

 しかし、ここに至るまでの道のりは決して平坦ではなかった。サンフレッチェ広島の育成組織出身だがトップチームには昇格できず、流通経済大学へ進学。「高校の時から常に先を行かれる選手」だというユース同期のGK大迫敬介がトップチームで主力に定着し、世代別代表などでも活躍する中、満田は4年間を大学で過ごしたのち、再び広島のユニフォームを着るチャンスを得た。

「攻撃はもちろん、守備でもしっかりと貢献できる」という強みをプロの舞台でも発揮できるようになったのは、これまでに出会った指導者からの教えのおかげでもあるだろう。

 1人は現在京都サンガF.C.を率いる曺貴裁監督だ。満田は「(流経大)3年生の時に曺さんと出会ったのが転機」だと語る。

「チームを勝たせるために点を取ることだけが仕事だけだと思っていたんですけど、FWをやっていたところからサイドをやるようになって、自分の特長を活かすためにやらなければいけないことがたくさんあると言ってもらえて学ぶことができた。その1年間ですごく成長できたのかなと思います」

 ゴールを決めるだけでなく、それ以外の細かいプレーにもこだわることで、よりゴールへの意識が高まった。今では守備も怠らずチームに走ることが武器になり「そういった部分で他の選手との違いを生み出すことができれば、攻撃につなげることができる。それが自分の特長」と言えるまでになった。

「曺さんと出会うまで自分はFWをやっていたんですけど、それまでは得点を取ることだけにこだわりすぎていて、取れなかったらダメだと思っていた。自分の特長であるハードワークやアシストでもチームに貢献できると、曺さんと話していて感じたところがあって。そうしたら自然と自分のところにボールが来るようになって、点も取れるようになった。チームのためにプレーすることで自分の結果につながるし、帰ってくるんだと思いました」

 満田の能力をプロの舞台で引き出してくれたもう1人の指導者は、広島を率いるミヒャエル・スキッベ監督である。「スキッべ監督は自分を含めて今の広島の選手にあった戦術、プレースタイルだと思います。自分にもすごく合っています。チームとしてやることが統一されている中で、自分の役割もはっきりしているので、いい監督に出会えたかなと思っています」と満田は大きな手応えを得ている。

 今季新任のドイツ人指揮官が目指すサッカーと自らのプレースタイルの親和性が高かったからこそ、プロ1年目から多くのゴールに絡むことができている。もしスキッベ監督のもとでプレーできていなかったらルーキーイヤーでの日本代表入りはなかったかもしれない。

 E-1サッカー選手権は2人との出会いによる成長を日本代表に還元するのに絶好の場所だ。世代別代表経験を持たない満田にとって、日本代表のユニフォームをまとって戦うのは初めてのこと。国内組だけのチームとはいえ、この舞台を経験するだけでも将来に向けて大きな価値がある。

 香港代表戦翌日の今月20日に23歳の誕生日を迎えたアタッカーは「まだスタートラインに立っただけなので、選ばれるだけではなく、試合に出て結果を出して、上を目指せるような位置づけにしていきたいと思っています」と、残り2試合での活躍を誓う。

「日本代表で長く活躍するためには結果も大事だと思うんですけど、チームメイトや監督の信頼が大事。チームでやるべきことをしっかりやって、そこから自分の特長を活かして、毎試合のように結果を出せばメンバーに定着できる。そこ(ゴールやアシスト)にこだわってやっていきたいと思います」

 もちろん「この中から日本代表を背負ってワールドカップに出る可能性はゼロではない」と11月のカタール行きも諦めていない。大舞台に立つ夢を叶えるためにも、限られた時間の中で森保ジャパンに必要な実力の持ち主であることを証明したいところだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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