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レアル・マドリードが体現する“合理的な思考”とは? アンチェロッティの志向と4ゴールの共通点【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

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ラ・リーガ第5節、レアル・マドリード対マジョルカが現地時間11日に行われ、4-1でホームチームが大勝した。この日奪ったレアルの4ゴールには、ある共通点が存在している。それこそが、現欧州王者レアルが持つ強さの証だった。(文:本田千尋)


「10本以下のパスでゴールを決めることの方が簡単」


【写真:Getty Images】

 試合に先立つ会見で、カルロ・アンチェロッティ監督は、次のような“見解”を述べた。

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「(レアル・)マドリードは称賛に値するチームだが、33本のパスを繋いでゴールを決めることは、我々のアイデンティティの全てではない。データによる統計によれば、10本以下のパスでゴールを決めることの方が簡単だ。フットボールは変化し続けており、よりダイレクトになっている。最近では、あらゆる国でポゼッション・フットボールは、これまでよりもポピュラーではなくなってきている」

 このイタリア人指揮官のコメントを要約すると、「レアルはポゼッションにはこだわらない。よりダイレクトにゴールを狙う」といったところだろうか。「こだわるべきは試合終了時の結果であり、スタイルではない」と言っているようにも聞こえる。

 もっとも、アンチェロッティ監督の示唆するとおり、ボール支配率の高さを重視するチームはほとんどなくなっているのが、近年のフットボールの傾向であるのは間違いない。“繋ぐサッカー”の代名詞のような存在だったバルセロナでさえ、「よりダイレクトになっている」のが現状だ。

 このような老将の“合理的な思考”を体現するようなサッカーを、エル・ブランコの選手たちは、現地時間11日に行われたラ・リーガ第5節、マジョルカ戦で披露した。

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