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Jリーグ 2年前

浦和レッズの「理想と現実は違う」。指揮官の目指すスタイルと選手の判断、浮き彫りになるリカルド体制2年目の現在地【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

酒井宏樹は現状をどう見ているか?


【写真:Getty Images】



「監督がそうやってブレないで理想を追求するのはいいと思いますし、そこは選手たちがしっかり責任もって表現しないといけない」

 セレッソ大阪戦から中2日という過密日程で、湘南戦の4日後にはYBCルヴァンカップ準決勝第1戦でセレッソと再戦する。伊藤敦樹と岩尾憲が45分ずつの出場となったことについて指揮官は「これまでの疲労を考慮したもの」と話しており、近づいている国内タイトルに照準を合わせている部分もある。リカルド監督は「人が大きく変われば、我々が目指しているサッカーを同じようにやっていくのは簡単ではない」という。

 しかし、浦和というクラブではこのようなエクスキューズが通用しないのも現実だ。リカルド監督の掲げる理想が間違っているわけではないはず。一発勝負のACLやルヴァンカップが証明しているように、勝ち進むだけの力があることは間違いない。しかし、それが浸透しきっていないのが現実だ。

 湘南も大野和成と大岩一貴が不在で、センターバックを本職とする選手がいない中、山本脩斗が3バックの中央に入っている。ベルギーに移籍した田中聡が務めていたアンカーにはインサイドハーフでプレーしていた茨田が入っている。しかし、それによってチームのパフォーマンスが下がることはない。

 湘南の山本は「どのメンバーが出ても自分たちのベースというのはある」と話す。2年目も後半に差し掛かったリカルド体制と、1年が経った山口智体制の違いが浮き彫りとなった。

(取材・文:加藤健一)

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