フットボールチャンネル

日本代表 2年前

サッカー日本代表が予行演習で掴んだ成功。スペイン&ドイツ戦の最重要ポイントとは?【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

ドイツ代表、スペイン代表との対戦を想定すると…



 ドイツ代表、スペイン代表との対戦を想定すると、自陣でボールを失わないことが最重要ポイントになる。どちらもボール支配力が強いが、そのまま崩し切って得点するための切り札は持っていない。6月に日本代表が対戦したブラジル代表のネイマール、ヴィニシウス、ラフィーニャのような崩すための切り札がない。そのかわり、敵陣でボールを失った直後のハイプレスが強烈だ。

 ボール保持力の強いチームが押し込んだ後に高い位置で守備をするのは当然だが、今回のドイツ代表とスペイン代表に関しては、むしろハイプレスで奪うためにポゼッションしているようなところがあるのだ。

 米国代表もハイプレス志向が強い。日本代表にとって、自陣でボールを奪われないためのテストとしては良い相手だったはずだ。そして、ほとんど自陣で失うことはなかった。

 前半は吉田麻也、冨安健洋のCBから縦パスを通し、ハイプレスに来た相手をひっくり返している。米国代表はウイングが外側を切る形のハイプレスを行っていた。そのためCBから縦にクサビを入れるコースは空いていて、冨安から縦への正確なパスでスイッチを入れるカウンターが成立している。吉田からは相手のウイングの内側を巻く形でフリーになっている酒井宏樹へパスを通してフィニッシュに結びつける場面があった。相手にプレスさせて隙間をついていく余裕あるビルドアップをみせていた。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top