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「信じて跳んだ」。シュミット・ダニエルが大活躍!サッカー日本代表を救った殊勲のPKセーブ

text by 編集部 photo by Getty Images

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【写真:Getty Images】



サッカー日本代表を救ったのは…

【日本 0-0 エクアドル キリンチャレンジカップ2022】

 サッカー日本代表は27日、ドイツで行われたキリンチャレンジカップ2022でエクアドル代表と対戦し、0-0で引き分けに終わった。負けていてもおかしくない試合だった。序盤からエクアドル代表に苦しめられ、日本代表が劣勢の時間帯も長かった。そして、80分にはエクアドル代表にPKを与えてしまい絶体絶命のピンチを迎えた。



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 そこで輝いたのはGKシュミット・ダニエルだ。「とりあえず相手が蹴る前にたくさん動いて、少しでも相手の気を逸らして、最後は自分が信じた方に思いっきり跳ぼうと思った」という守護神は、FWエネル・バレンシアが蹴ったPKに対して右に跳んでボールを弾き出す。

「結果的にドンピシャでいいところにボールがきた」と謙遜するが、シュミットが完璧な読みと駆け引きでキッカーに勝ったPKストップだった。

 もしこのビッグセーブがなければ、日本は負けていただろう。カタールワールドカップ本番だったとすれば、PK1本が命取りになる可能性もある。その意味でシュミットは極めて重要な働きをした。

 本人も「引き分けだったので、満足とは言えないですけど、自分にとって間違いなく今まで代表でプレーしてきた中で一番いいパフォーマンスだった。そこは自信を持っていいと思うし、こういうパフォーマンスをクラブに戻ってもしていきたいと思います」と確かな手応えを得たようだった。自己採点は「80点くらい」だ。

 カタールワールドカップ本大会での正守護神争いにも動きが出てくるかもしれない。シュミットは「まだワールドカップ本番のことを考えるのはちょっと早いと思う」と言うが、エクアドル代表戦のパフォーマンスに森保一監督も心を揺さぶられたことだろう。

 試合後の記者会見で日本代表の指揮官は「ピンチも多かった中、ダンが最後の砦としてビッグセーブをしてくれたことで、試合がより引き締まったと思いますし、フィールドプレーヤーたちが勇気を持って、そして落ち着いて戦えることにつながった」とシュミットのプレーを絶賛していた。

 サイドからのクロス対応やビルドアップへの関与についても森保監督は高く評価し、PKセーブと直後の決定機を阻止したセーブも「彼だから止められたシュートだったと思う」と述べる。「今日の試合でも非常に大きな仕事をしてくれた」と、とめどなく称賛の言葉が出てきた。

 ワールドカップ本番まであと2ヶ月。日本代表のゴールマウスを誰に託すかは、森保監督にとっても嬉しい悩みのタネの1つだろう。

 シュミットは「ここからクラブでどういうパフォーマンスをするかで、序列はよくも悪くもどうにでもなると思うので、まずそこに集中してやること。そのうえで最後に決めるのは監督だと思うし、もちろん試合に出ることを目指してやっていますけど、あまりそれを意識しすぎずやりたい」と気を引き締めていた。

 シント=トロイデンVVに戻ってからのベルギーでのパフォーマンスがどう変化していくか。シュミットのこれからのプレーに注目だ。

(取材:元川悦子、文・構成:編集部)

【了】

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