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長谷部誠が今なお必要とされる理由。どのようにケインを完封したのか【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

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 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ第3節が現地4日に行われ、アイントラハト・フランクフルトとトッテナムは0-0で引き分けた。この試合で相手のエースストライカーを封じ込めて絶大な存在感を放ったのは、フランクフルトのDF長谷部誠だった。(文:舩木渉)



長谷部誠がハリー・ケインを完封


【写真:Getty Images】

 イングランドから襲来した“ハリケーン”を、たった1人で抑え込んだ男がいる。

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 その男の名前は、長谷部誠。肩書きは“元”日本代表だが、38歳でも世界のトップクラスと互角以上に渡り合えることをピッチ上で改めて証明した。

 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ第3節が現地4日に行われ、アイントラハト・フランクフルトはホームでトッテナム・ホットスパーと0-0のドローを演じた。

 長谷部はフランクフルトの3バックの中央で先発出場。イングランド代表FWハリー・ケイン、韓国代表FWソン・フンミン、ブラジル代表FWリシャーリソンという強力な3トップと対峙しても一歩も引かず、スコアレスドローに大きく貢献した。

 フランクフルトのゴールを守ったGKケビン・トラップは、試合後のインタビューで長谷部について次のように語ったという。

「マコトは僕たち全員にとっての模範だ。マコトはフィジカル的にそれほど強くないかもしれないが、マッチアップしていたケインを支配下に置いていた。彼にボールを預ければ、チームに必要な自信を与えてくれる。かつて引退に2度近づいたが、ありがたいことに思いとどまってくれた彼は、僕たちにとってとてつもなく重要な選手だ」

 三度目の正直で今季限りでの現役引退も囁かれるが、まだまだ第一線で走り続ける長谷部のプレーを見たい。そんな思いを抱かせてくれる圧巻のパフォーマンスだった。

 トッテナムがボールを保持して攻撃を組み立てている間、長谷部はケインの背中にピッタリ張りついて離れない。もしソン・フンミンやリシャーリソンが危険な位置でパスを受けようとすれば、左右で補佐する後輩たちが思い切りよく飛び出していってボールを刈り取る。

 マークを嫌がったケインがゴールから離れて組み立てに参加しようとしたら、長谷部は深追いしないでポジションを守る。他のDFたちがかわされてトッテナムにチャンスが生まれそうになると、ケインから離れて即座に最も危険なスペースを埋めてピンチの芽を摘む。

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