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Jリーグ 1年前

「腰が引けた戦いではなく…」京都サンガとロアッソ熊本、対照的なPOへの道のり【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

「戦ってきたことを忘れないように」



 2021年のJ3王者としてJ2に復帰したロアッソは、勢いそのままにJ2でも上位争いに加わり、4位でシーズンを終えた。大木監督はこれまでと同様、8人の選手が平均75分以上プレーしていることが示すように、信頼できる選手を中心にチームを構成した。

 もしロアッソが来年J1に昇格できなかったとしても、あるいは昇格できたとしても、菅田真啓、河原創、髙橋利樹といった面々が2023年にまだ赤いシャツを着ているのか、興味深いところである。

 杉山直宏と坂本亘基はチーム得点王・髙橋の背後で常に脅威となり、FC東京からシーズン途中に加入した平川怜はチームの巧みなパスワークに難なく溶け込み、黒木晃平とイヨハ理ヘンリーは3バックで菅田の脇を完璧に固めている。

「今年最後の試合なので、いろいろ思うことはあるんですけど、いつも通りというか、リーグ戦を通して毎試合、同じように戦ってきたことを忘れないようにするだけです」と、前節、モンテディオとの激闘でゴールを決めたイヨハは語った。

「相手も球際の激しさを大事にしてくるチームだと思うので、そこは自信を持って戦えば、良い結果が出せると思っています」

 ロアッソが初のJ1昇格を確保できるかどうかは分からない。しかし、確実に言えるのは、ロアッソはJ1昇格の権利を得るために、京都を徹底的に追い詰めるということだ。

【了】

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