フットボールチャンネル

【スペイン代表 カタールW杯無料選手名鑑】基本フォーメーション&招集メンバー全選手紹介

シリーズ:カタールW杯選手名鑑 text by photo by Getty Images

フォーメーション

【写真:Getty Images】


 サッカー日本代表とグループステージ最終戦で対戦するスペイン代表は、2018年のロシアワールドカップ終了後に前バルセロナ監督のルイス・エンリケを新指揮官に招聘した。2019年に娘さんの重病の看病に徹するために代表監督を辞任。およそ5ヶ月間の闘病も叶わず、8月末に9歳の愛娘を亡くした。

 この悲劇を乗り越え、ルイス・エンリケは11月にスペイン代表監督に再任を果たす。チアゴ・アルカンタラやセルヒオ・ラモス、ダビド・デ・ヘアら経験豊富な選手をスタメンやメンバーから外し、一気に若手化へと図って挑んだ2021年のユーロ(欧州選手権)では、下馬評がかなり低かった中でベスト4進出と結果を残した。そしてカタールワールドカップに向けては、ガビやジェレミー・ピノ、ニコ・ウィリアムズらさらに若い選手たちを戦力に加え、平均年齢25.6歳という出場チームでトップクラスに若いチームを作り上げた。

 スペイン代表のフォーメーションは4-3-3のフォーメーションで、ボール保持時は左SBが高い位置を取って右SBは上がらない可変式の3バックとなる。基本的にボールを保持するスタイルはこれまでのスペイン代表と基本的に変わりないが、当時と比較するとポゼッション率は落としており、カウンタープレスからの即時奪還、そしてカウンターを発動してフィニッシュに持ち込む場面もあるなど、ルイス・エンリケ監督はポゼッション以外にも現代サッカーのトレンドを取り入れたモダンなチーム作りを行っている。

 直近の課題は前半の出来の悪さであり、9月のスイス戦の後にルイス・エンリケは「今までの出来で最悪」と語るほどの内容だった。そのためか後半から流れを変えることができるドリブラーを多めに招集しており、彼らがスーパーサブとして機能すれば相手からすると最後まで気が抜けない嫌なチームとなる。

 正GKを務めるのはスペイン人GKでNo.1の呼び声高いウナイ・シモンだ。昨夏のユーロまではデ・ヘアも招集していたが、ベンチに置いておく理由はないとして選外となっている。控えにはロベルト・サンチェスとダビド・ラジャのプレミアリーグで活躍する選手が名を連ねている。

 センターバックのファーストチョイスは、守備力を考えるとパウ・トーレスとアイメリク・ラポルテの2人のレフティーとなるだろう。ルイス・エンリケ監督の中では右利きのエリック・ガルシアの評価も高いが、守備に難があるため、彼をスタメンで起用するのは賭けになるかもしれない。9月には本来は中盤のロドリをCBに起用するなど、試行錯誤を繰り返している。

 サイドバックのスタメンはジョルディ・アルバとセサル・アスピリクエタが濃厚だろう。先述した通り、スペイン代表の4-3-3は左肩あがりの可変式のシステムであり、バランスを考えると右サイドバックは攻撃的なダニエル・カルバハルよりもアスピリクエタの方が適任だろう。

 中盤3枚の組み合わせはセルヒオ・ブスケツ、ペドリ、ガビのバルセロナのセットとなる。その控えにロドリ、コケ、マルコス・ジョレンテ、カルロス・ソレールと他の国ではスタメン出場してもおかしくはない豪華な面々が揃う。

 スペイン代表が抱えている最大の不安は前線である。アルバロ・モラタ、ダニ・オルモ、フェラン・トーレスの3トップもモラタ以外はレギュラーが確約されているとは言い難く、コンディション次第では大会期間中に序列が入れ替わる可能性もあるだろう。注目はニコ・ウィリアムズとジェレミー・ピノの20歳の2人で、彼ら2人がゲームチェンジャーとして流れを変えられることができるかどうかが、スペイン代表躍進の行方を占うかもしれない。

1 2 3 4 5 6

KANZENからのお知らせ

scroll top