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野心と武器。伊東純也の4年間。サッカー日本代表の控えからエースへ変貌できた理由【コラム】

コロナ禍で変わる伊東純也の評価


【写真:Getty Images】


 迎えた2020年。ご存じの通り、コロナ禍で1年近く活動停止に追い込まれた日本代表は10・11月に欧州で4試合を消化した。そのうち伊東は両シリーズのメインカードと位置付けられたコートジボワール代表、メキシコ代表戦に先発。森保監督の中で右サイドのファーストチョイスになりつつあることが明らかになった。

 それだけヘンクでの伊東はコンスタントな活躍を見せており、シント=トロイデンの立石敬之CEOも「ベルギーにおける日本人の価値を最も上げたのは紛れもなく伊東。コロナがなければもっと早い段階で格上のクラブへの移籍話が進んだと思う」と発言するほどだった。

 実際、20/21シーズンの伊東は公式戦42試合出場、12得点16アシストという頭抜けた数字を記録。同シーズンにビーレフェルトにレンタル移籍した堂安よりも決定的な仕事をする回数が多かった。2020年1月にザルツブルクからリバプールへ赴いた南野がクラブで出番を得られず、代表でも得点数が伸び悩んだこともあり、伊東の個人能力はチームに不可欠なものとなっていった。

 そして2021年9月にスタートした最終予選。伊東は最初のオマーン代表戦から右サイドのファーストチョイスとしてスタメンで出続けた。初戦は敵の徹底マークと超守備的戦術に苦しみ、思うように仕事ができず、日本も0-1の苦杯を喫したが、続く中国代表戦では背番号14の縦への突破が攻撃の生命線となる。大迫勇也の決勝点も彼の仕掛けからのマイナスクロスにより生まれたもの。「右の伊東」は大きなインパクトを残したのだ。

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