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遠藤航が強調する「2つの判断」。サッカー日本代表、「特にドイツ対策というのはない」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

「それがイコール対策」遠藤航が膨らませるイメージ



 彼が攻守両面でどっしりと構え、チームに安定感を与えてくれれば、バイエルン勢主体の相手MF陣にそこまで崩されないだろう。中盤が機能しなければ、ユスファ・ムココらFW陣に決定的なボールを出されることもない。やはり勝敗を分けるのは中盤の攻防。それを担う遠藤には大きな期待が寄せられるのだ。

 改めて振り返ると、チームに帯同しながら出番なしに終わったロシアW杯を経て、彼自身は劇的な飛躍を遂げた。特に2019年夏にドイツへ赴いてからの成長は凄まじいものがあった。本人も3年あまりのプレー経験から、ドイツ代表の面々とも互角に渡り合える自信と駆け引きを身に着けたという自負がある。

「特にドイツ対策というのはない。ようは相手選手の特徴を知っておくことが大事だと思うんです。ブンデスの経験から相手の良さ、何をしてくるかが分かっているので、それがイコール対策。大事なのは、今までキミッヒやゴレツカ、サネといったドイツ代表の選手たちと自分が戦える状況にいたこと。だから、これから何かするというのは特にないし、自分の4年間の準備期間が全てここにつながっている。持ってる全てをぶつけるだけだと思ってます」

 そう言って目を輝かせた背番号6がカタールで異彩を放ってくれれば、日本代表は必ず前向きな方向に進んでいく。そうなるように、遠藤航にはベストパフォーマンスを出し切ってほしいものである。

(取材・文:元川悦子【カタール】)

【了】

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