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「ネイマールの代役」答えは?控え組で敗れたブラジル代表に必要な“アマリルド”【カタールW杯】

シリーズ:コラム text by 西部謙司 photo by Getty Images

カメルーン代表が掴んだ歴史的勝利



 カメルーン代表は4-4-2の守備ブロックで粘り強く守りながら、ときおり効果的な攻め込みもみせている。数々のシュートもGKエパシが防ぎまくった。

 強烈なフィジカルで存在感を示したアンドレ・フランク・ザンボ・アンギサは、ビルドアップではCBの間へ下りて起点となっていた。後半途中出場のオリビエ・エンチャムと組んで組み立てをリード。この2人を経由してから右サイドのジェローム・エンゴムへ展開し、エンゴムのクロスボールをエース、バンサン・アブバカルがヘディングで決めて決勝点を奪った。

 2人のCBの間へポジションをとったアブバカルへロングクロスがピタリと命中、ポスト際へ収めるヘディングの精度も素晴らしかった。喜び爆発のアブバカルはユニフォームを脱いでしまい2枚目のイエローカードで退場になってしまったが、残り時間をしのいで歴史的なブラジル代表戦から勝利をあげた。

 勝利したカメルーン代表だったが、スイス代表がセルビア代表に勝ったためにグループリーグ敗退。主力を温存したブラジル代表も負傷者が増えただけで得るものは少なく、どちらにとってもほろ苦い結末となった。

(文:西部謙司)

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【了】

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