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世界のトップは「遠く感じる」サッカー日本代表が感じたベスト8入りへの課題【カタールW杯】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

堂安律が感じる世界のトップとの距離



「世界のトップに手が届くところまで来ているという手ごたえをつかめた? この大会では感じなかったですね。(トップの)近くに行けば行くほど、(距離が)遠くに感じるというのは自分の中で感じるんで。

 同学年の(キリアン・)エムバペを見たら分かる通りですし、オランダの(コーディ・)カグポだって、自分が同じクラブにいた時にはベンチだった選手。あれほど飛躍する姿は想像もしていなかったですし、追いかけていくのに必死。誰よりも努力しないといけないと思います」

 カタール大会2ゴールと乗りに乗っていた背番号8が神妙な面持ちで語るのだから、個のレベルアップと言うのは一筋縄ではいけない。ただ、それをしなければ、日本代表の前進がないのも確か。4年後は彼ら東京五輪世代が20代後半の円熟期を迎えるだけに、2016年の北中米W杯で5度目の8強チャレンジを結実させられるかは彼ら次第と言っても過言ではない。

 森保監督続投となれば、手塩に育ててきた97~2000年生まれの選手を重視し続けるはず。だからこそ、三笘や堂安、久保、出番のなかった町野らは世界相手にも違いを作れるアタッカーにならなければいけない。今回メンバー入りしなかった中村敬斗、原大智、林大地らを含め、この世代がしのぎを削り、分厚い選手層を構築できれば、希望が見えてくる。

 次の4年間を絶対に無駄にしないためにも、彼らには成長曲線を可能な限り、引き上げてもらうしかない。

(取材・文:元川悦子【カタール】)

【了】

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