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20歳前後の育成に苦しむ日本サッカーの実情。サッカー日本代表ベスト8への壁【カタールW杯】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by AFC

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 サッカー日本代表はFIFAワールドカップカタール2022でラウンド16敗退という結果に終わった。悲願のベスト8を成し遂げるためには、若い世代の成長は必須。しかし、パリ五輪世代(2001年以降生まれ)を含めた若い世代は、強化策に悩まされているという。その実情とは?(取材・文:元川悦子【カタール】)

【前編】世界のトップは「遠く感じる」日本代表が感じたベスト8入りへの課題


ベスト8へ必須となる若手の押し上げ


【写真:Getty Images】

 4年後の北中米ワールドカップでベスト8進出を果たすため、今回の森保ジャパンを押し上げた東京五輪世代(97~2000年生まれ)の個々のレベルアップが必須であることは、前編でも書いた。カタールW杯で評価をさらに上げた板倉滉、堂安律らには、いち早くUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント常連クラブへのステップアップを果たしてほしいところだ。

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 とはいえ、彼らのような20代中盤の面々が飛躍するだけで日本代表が強くなるわけではない。東京五輪世代より下のパリ五輪世代(2001~2004年生まれ)から急成長してくる選手が続々と現れないと、代表はいずれ停滞してしまう。若手の突き上げというのは、いつの時代も必要不可欠の重要テーマなのだ。

 実際、今大会を見ても、ラウンド16までの段階で3ゴールを挙げているポルトガル代表のゴンサロ・ラモスとイングランド代表のブカヨ・サカは21歳。スペイン代表のアンス・ファティやペドリは20歳だ。

 さらに言うと、イングランド代表のジュード・ベリンガム、ドイツ代表のジャマル・ムシアラとユスファ・ムココ、スペインのガビらは10代で堂々と世界と渡り合っている。

 数年前までは久保建英がそういった成長曲線を辿ると期待されたが、現状はその通りには行っていない。日本も若手台頭を加速させなければ、世界に遅れを取ることになる。

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