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ブライトン出身記者が見た三笘薫の輝き。日本人ドリブラーが持つ可能性とは?【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

日本から来たドリブラー

【写真:Getty Images】



 ソーシャルメディア上では、彼の貢献度に関する統計的な分析や、より精巧な分析が話題となっている。しかし、三笘がいかに特別な才能を持っているかは、ボールを持っているかにかかわらず、ピッチを動き回る姿を見ていれば一目瞭然だろう。

 ポゼッションで慌てることはほとんどなく、ボールの使い方が驚くほど合理的で、彼のプレーに無駄なものはまったく感じられない。すべてのタッチに目的があり、チームの攻撃に繋がらないものには興味がないようだ。さらに、味方をおぜん立てしたり、先週のレスター・シティ戦のように自らチャンスを作ろうとしたりと、最後の部分でも非常に効果的だ。

 フロンターレに在籍していた1年半は、まさにこのような活躍をしていた。ただし、Jリーグ在籍時は新型コロナウイルスが流行し、観客やメディアの活動が制限されていた。生で彼を見たり話したりできた人は少なく、今思えば夢のような時代であった。

 川崎は2018年7月、それまでクラブのアカデミーシステムで育成されてきた筑波大学の有望株が、卒業後に2020年のトップチームに加入することを発表している。その前年の2017年に、ベガルタ仙台と対戦した天皇杯2回戦でセンセーショナルなパフォーマンスを見せてアウェイでの勝利に貢献していた。このフレッシュな若手は一躍、日本サッカー界に名乗りを上げ、高い評価を得ていたものの、J1でこれほどのインパクトをすぐに与えるとは誰も思っていなかった。

 しかし、我々はまだ知らなかった。

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