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ブライトン出身記者が見た三笘薫の輝き。日本人ドリブラーが持つ可能性とは?【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

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サッカー日本代表FW三笘薫が世界最高峰の舞台プレミアリーグで輝きを放っている。ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンで今季からプレーし、その活躍は世界に知れ渡ることとなった。下部リーグに沈んだこともあったイングランド南部のクラブと、そこにやってきた日本人ドリブラーの物語がここに綴られる。(文:ショーン・キャロル)


ブライトンの陰の時代


【写真:Getty Images】

 ブライトン出身で10年以上Jリーグを取材してきた私にとって、ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンで活躍する三笘薫が世界的に話題になるのは不思議な体験だった。

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 元川崎フロンターレの三笘がプレミアリーグに馴染んでいることもあるが、私が子どもの頃、シーガルズ(ブライトンの愛称)は決して良いチームではなかったからでもある。

 私が子どもの頃、このクラブはイングランドプロサッカー界の下の方で浮き沈みしていた。学校が休みの日にかつての本拠地ゴールドストーン・グラウンドに隣接する公園でアルビオンのサッカー教室に参加すると、次のヨーク・シティやハートリプール・ユナイテッドの試合のチケットを無料で配布してもらったことを鮮明に覚えている。マンチェスター・ユナイテッドやリバプールといった強豪チームを応援している私たちにブライトンを応援してもらうこと期待していたのでしょう。

 1990/91、ディビジョン2(現チャンピオンシップ)のプレーオフ決勝でノッツ・カウンティに敗れたのが、私の青春時代にクラブが最もトップリーグに近づいた瞬間だった。そして1997年にはプロリーグから完全に脱落しそうになり、シーズン最終日にアウェイでヘレフォード・ユナイテッドに1-1で辛くも引き分け、ぎりぎりで生き残ることになった。

 リーグでの地位は保つことができたが、そこからの15年には様々な困難が待ち受けていた。

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