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「日本はアジアを出なければ」大胆な改革とサッカー日本代表の強化プラン。シントトロイデン立石敬之CEOが描く野望【4/4】

シリーズ:シントトロイデン立石敬之CEOに訊く text by 元川悦子 photo by Getty Images

サッカーが持つポテンシャル



「現在の世界サッカーを見ると、欧州と南米が2大勢力になっていますけど、パンパシ・チャンピオンズリーグができれば3大勢力になれると思います。アメリカにはスポーツ専門チャンネルのESPNや巨大マスメディア企業のフォックスもありますし、GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)のようなIT企業の雄もある。サッカーの価値を上げられるポテンシャルがあると考えています」

 こういった壮大なアイディアを日本のサッカー関係者にも提示しているというが、今のところは具体的なイメージが湧きにくいのか、反応はまちまちだという。

 それでも、そのくらいの斬新な大変革を考えていかなければ、欧州至上主義の現状を切り崩すことは不可能だ。日本やアジアを客観視できる欧州から大胆な発信ができるのは、立石CEOの大きな強みだろう。

 単に日本人選手の欧州のゲートウェイを作っただけでなく、日本代表のさらなる進化、カタールでも果たせなかったW杯ベスト8入りを後押しすべく、Jリーグで複数クラブの強化に携わった敏腕経営者は、新たなチャレンジを続けていくという。

(取材・文:元川悦子)

プロフィール:立石敬之(たていし・たかゆき)


【写真:シントトロイデン】

国見高校時代に全国高校サッカー選手権大会優勝し、創価大学、ブラジル、アルゼンチンなどへの留学を経てベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)、東京ガスサッカー部(現FC東京)、大分FC(現大分トリニータ)でプレー。現役引退後は大分トリニータ、FC東京で強化部長やGMを歴任し、2018年にベルギー・シントトロイデンのCEOに就任。2023年1月でJリーグ理事を退任し、同年2月よりアビスパ福岡の副社長に就任する。

【了】

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