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Jリーグ 1年前

小野瀬康介の新境地。ガンバ大阪を契約満了となった男が湘南ベルマーレに与える影響【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

新たなポジションで開拓する新境地



 小野瀬はこれまでサイドを主戦場とすることが多かった。しかし、湘南で与えられたポジションは右のインサイドハーフ(サイドボランチ)。ピッチの中央でプレーする時間も多く、これまでとは違う景色のはずだが、いきいきとプレーしているように見える。「自由にやらせてもらっています。貢献できているなら嬉しい」と小野瀬は話しているが、その自由こそが今季の湘南の躍動を生み出している。

 前半終了間際には、右サイドから小野瀬が折り返し、平岡太陽がボレーシュートを放つシーンもあった。「あれは感覚で、誰かニアに入ってきて後ろに誰か来てくれと。(平岡が)いいところに入ってきてくれたのでイメージ通りだった」と、加入から間もない中でもイメージを共有できている。

 周囲との連係が構築できている理由を、小野瀬はこう話す。

「元々できあがっているチームに(新加入の)僕が合わせる形から入っている。『こういうプレーもできる』というプレーを見せていって、今の形になっている。もっと良くなっていくと思う」

 2021年9月から指揮を執る山口智監督の下で、湘南ベルマーレはブレないスタイルを貫いている。ボール保持・非保持にかかわらず、最適なポジションを取り続け、優位性を作り出していく。ベースとなる戦い方があるからこそ、小野瀬のフィットも早かったのだろう。

 もう一つの理由は、小野瀬のこれまでの経歴にある。

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