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Jリーグ 1年前

シン川崎フロンターレは未完成。道半ばの新たな挑戦、キーマン山根視来はどう考える?【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

川崎フロンターレの新たな挑戦とは?



 開幕節から変化は顕著に表れていた。川崎がビルドアップを始めると、山根は右サイドバックの位置からアンカーの脇にポジションを移す。アーセナルのオレクサンドル・ジンチェンコや横浜F・マリノスの松原健がよく行う偽サイドバックと言われる動きだ。

 山根が絞ることで中央には数的優位が生まれる。それに反応して相手の外の選手が絞れば大外が空くし、DFがマンマークでついてくるのであれば背後へのランニングが有効になる。

 マリノスとの開幕戦から、その狙いが実を結びそうな場面はあった。15分には山根の左足のロングパスに左ウイングのマルシーニョが反応した。19分にはテンポの良いパス回しから宮代大聖がポストプレーで落とし、宮代が空けたポジションに遠野大弥が走りこんでスルーパスを引き出し、ビッグチャンスを作っている。

 鹿島戦でも有効なシーンは作れていたし、湘南戦でも狙いは見て取れた。ただ、中盤のプレスがタイトな湘南に対し、山根が内に絞っても数的優位を作ることができなかった。ボールホルダーは自由を奪われ、山根や他のMFも封じられている。山根の言葉通り、湘南は「前向き」の守備ができていた。

 うまくいかないと見た鬼木監督は修正を試みた。25分に接触プレーで試合が止まると、山根をテクニカルエリアに呼んで指示を出している。

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