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久保建英を封じたモウリーニョの戦略とは? 危険な日本人を抑えたキーマン【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)最新ニュース

UEFAヨーロッパリーグ(EL)ラウンド16の1stレグ、ローマ対レアル・ソシエダが現地時間9日に行われ、2-0でホームチームが勝利している。サッカー日本代表MF久保建英は先発出場。ポスト直撃のシュートもあったが、結果は残せず、チームを救うことはできなかった。(文:小澤祐作)


レアル・ソシエダは良いところなく2ndレグへ


【写真:Getty Images】

 スコア以上の完敗と言っていいだろう。レアル・ソシエダのベスト8進出は、限りなく難しくなった。

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 イマノル・アルグアシル監督は、なかなか調子が上がらないエースのミケル・オヤルサバルをベンチに置き、このローマ戦で4-3-1-2を復活させた。怪我から復帰したダビド・シルバがトップ下で、アレクサンダー・セルロートと久保建英が2トップのコンビを組んだ。

 そのソシエダは支配率でローマを圧倒。約60%という数値を残した。しかし「我々はボールを持っていない状態でも試合をコントロールした」とジョゼ・モウリーニョ監督がコメントした通り、それは守備に自信を持つローマにとって脅威ではなかった。むしろ、ボールを握られた方が彼らにとっては戦いやすく、ソシエダは支配しているというより持たされているという印象の方が強かった。

 事実、ソシエダは支配率で圧倒しながらも、シュート数でローマと並んでいる。枠内に飛んだのはわずか1本だ。これだけでも、苦し紛れのボールポゼッションを続けていたことがハッキリとイメージできるだろう。

 そして与えた得点はカウンターとセットプレーから。まさに“スペシャル・ワン”の狙い通りにさせてしまった。スペインの上位クラブは、最後まで世界屈指の名将の術中にハマったままだったのだ。

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