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横浜F・マリノスが1つの映像に込めたメッセージ。選手とクラブの“らしさ”が伝わる仕掛けとは?

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

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 横浜F・マリノスのホームゲームにおける映像演出は、日産スタジアムでの観戦における醍醐味の1つとなっている。選手紹介時の映像は毎年趣向を凝らしたものとなっており、特に変化の大きかった今季は反響を呼んでいる。映像に込めたメッセージや企画の意図を知るべく、映像制作を担当する小宮清明氏(株式会社エヌディーヴイ代表)と、企画を担当した矢野隼平氏(横浜F・マリノス広報)に話を訊いた。(取材・文:加藤健一)


横浜F・マリノスのチャレンジ


【写真提供:横浜F・マリノス】

 2023年2月25日。横浜F・マリノスは今季初めて日産スタジアムで試合を行った。日産スタジアムの南側が浦和レッズの赤色で染まる中、1つの映像が流れたことで一気にF・マリノスのホームであることを再確認することができた。

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「日本サッカーの頂点はこの街にある」

 このメッセージとともに始まった映像が、昨季までと大きく変わっていたことに気づいたサポーターも多いだろう。横浜を代表する街並みの映像が差し込まれ、喜田拓也キャプテンの「いくぞ!」という掛け声とともに先発メンバー発表映像へと移っていく。

 これまでも映像は毎年変わっていたが、特に今年の変化は大きかった。F・マリノスの映像制作を担当してきた株式会社エヌディーヴイの小宮清明氏は「変化は必然だった」と話す。

「クラブが30周年を迎え、3年ぶりのリーグ優勝を果たし、昨年が一つの区切りでした。今年どういう映像であるべきかを考えたら、矢野さんからお話をもらう前から、変化は必然だったのかなと思っていました」

 横浜F・マリノス広報で、今回の映像制作に携わった矢野隼平氏も「これをやるのは必然の流れ」だったと言う。

「今年の1月までプロモーションを担当していて、どういう映像がかっこいいのか、お客様の心に残るのかを考えていました。海外のスポーツチームやファッションブランドではヒップホップをプロモーションで使っているところも多い。かっこいい曲があるのならチャレンジしない理由はないと思っていました」

 この映像を日産スタジアムの記者席で見たとき、試合が始まる前の高揚感を感じるとともに、「横浜っぽい」という漠然とした印象を受けた。

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