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Jリーグ 1年前

横浜F・マリノスが1つの映像に込めたメッセージ。選手とクラブの“らしさ”が伝わる仕掛けとは?

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

サポーターが高揚する細かい仕掛け


【写真提供:横浜F・マリノス】



 前半部分の終わりに、キャプテンの喜田拓也が「いくぞ!」と声をかけるシーンがある。これにも狙いが隠されていると矢野氏は言う。

「ちょうど同じくらいの時間帯に、喜田キャプテンがロッカールームで『いくぞ!』と言っている。ファン・サポーターの方々も一緒にボルテージを上げていこうという暗示的なメッセージがあるんです。それを見たサポーターの感情が高まったり、初めて見た方もシンプルにかっこいいなって思っていただけるような映像を目指した」

「喜田選手の掛け声でスタジアムも一体になってほしい。僕が見てもらいたいのは、すべての選手が登場すること。本当はマスコットも登場させたかったんですけれど、ちょっと映像のトーンと合わないと感じたので代わりのものを出しています。そういう細かいところも見て楽しんでほしいです」(小宮氏)

 マスコットの代わりに何が映っているのかは、日産スタジアムに足を運べばその正体がわかるだろう。そして、3月18日には鹿島アントラーズを日産スタジアムに迎える。1993年のJリーグ開幕から唯一J1で戦い続ける両者の一戦は『The CLASSIC』と銘打たれ、毎年大きな盛り上がりを見せる。この一戦のための映像も準備しているという。

 短い映像の中には作り手の思いが込められ、表情やしぐさから選手のパーソナリティーが、街並みの映像から横浜F・マリノスというクラブのアイデンティティーが伝わる。そして、それを見た人の感情が高まり、90分間のパフォーマンスはより一層魅力的に見えるはずだ。

(取材・文:加藤健一)

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【了】

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