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日本代表 1年前

新たなサッカー日本代表で伊東純也に課せられた重要タスク。流れを変えた男の凄みとは【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

なぜ伊東純也はサッカー日本代表で輝けるのか


【写真:Getty Images】

 そして、伊東の積極的なアタックが結実したのは後半30分。菅原からスルーパスを受けた彼は迷うことなく縦に抜け出し、中に折り返した。次の瞬間、上田がニアに侵入。マークを引きつけ、ガラ空きになったゴール前に飛び込んできたのが、交代出場したばかりの西村拓真。オフ・ザ・ボールの動きで違いをもたらせる国内組アタッカーが値千金の同点弾を奪い、日本は何とか1-1に追いつく。

 結局、試合はそのままドローという結果に終わったが、「ジョーカー・伊東」の凄みが遺憾なく発揮された終盤だったと言っていい。

「自分が入った時は負けていたので、とりあえず自分が入ったらどんどん仕掛けてチャンスを作ろうと思っていました。それでうまく1点が入った。最悪負けなくてよかったなと。自分は途中出場では満足できないので、また最初から出られるように結果を出し続けるしかないと思います」

 W杯で日本代表を支えたにも関わらず、伊東の発言はまるで最近デビューした選手のような「チャレンジャー精神」に満ち溢れていた。2017年12月のEAFF E-1サッカー選手権でデビューしてから43試合に出場し、今のチームでは最多となる9得点を奪っているにもかかわらず、彼は決して奢らないし、過信しない。だからこそ、どんなポジションで使われても献身的姿勢を前面に押し出し、結果も出してくれる。「高値安定の安心感」を伊東は改めて体現してくれたのである。

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