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日本代表 1年前

「やべえと思いながら…」田中碧が抱える課題。正念場のボランチがサッカー日本代表にもたらす連続性【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

「そこは自分の人間的な強さ」



 田中碧自身もここまでノーゴールで、3月4日のレーゲンスブルク戦、11日のハイデンハイム戦で2戦続けてスタメン落ちした。

「自分が出てる時はそんなに負けてなかったけど、しょうがない部分もありました。僕も『やべえ』って思いながら心配していたけど、最後(19日のハンザ・ロストック戦)に出て勝ったんで。今は代表に集中してるし、また帰ったら帰ったでやろうと思ってます」と本人もクラブのことはいったん横に置いて、コロンビア代表戦に全身全霊で向かう構えだ。

 そうしなければ、代表ボランチの序列が上がらないのも確か。W杯前から森保監督のファーストチョイスは遠藤と守田英正であり、今回の初陣2連戦の初戦もそのコンビが先発した。

「立場は分かっていますけど、かといって自分ができないことをやろうとは思っていない。今まで積み上げたものしか出せないんで。(川崎)フロンターレで試合に出てない時からそれは変わらない。当時も代表で出ている人を意識していたわけじゃないし、自分のやるべきことをやってここまで来た。そこは自分の人間的な強さでもあると思うんで」と田中碧はコツコツ前進するスタンスを変えることなく、3年後を目指すつもりだ。

 となれば、まずは目前に迫っているコロンビア戦で成果を残すことが肝要だ。ウルグアイ戦ではSBがインサイドに絞るビルドアップに頭が行き過ぎて、守田や鎌田大地ら中盤の面々の位置取りが中途半端になり、攻撃が停滞しがちだった。それを躍動感と運動量に秀でる田中碧が打開できれば、彼の存在価値も一気に上がる。

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