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「準備不足です」湘南ベルマーレ、失点を招く前の問題。「1つ遡って防げるところがある」

text by 編集部 photo by Getty Images

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湘南ベルマーレの高橋直也とアルビレックス新潟の小見洋太
【写真:Getty Images】



湘南ベルマーレが失点を重ねる原因とは

 明治安田生命J1リーグ第16節、湘南ベルマーレ対アルビレックス新潟が3日に行われ、2-2の引き分けに終わった。湘南は今季のリーグ戦16試合すべてで失点を喫している。この日も先制しながら逆転を許す難しい展開となったが、失点の原因はどこにあるのか。30分の失点シーンを多角的に振り返る。



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「一瞬の隙ができちゃうのが今の結果につながっている」

 石原広教は1失点目のシーンが、今季の苦戦を象徴していることを示唆している。最終ラインの中盤の間にパスを通されたところで、湘南はボールに対してのアプローチが遅れた。「前半はあれだけだったと思う」と悔しさをにじませながら言葉を吐き出した。

 湘南は今季27失点を喫している。失点数はリーグで4番目に多く、ここまで無失点で抑えた試合がない。この試合も局面で切り取れば、連動したプレスからいい守備を見せている時間帯はあった。ただ、「距離感が悪くなった時に周りのカバーが一歩遅くなったりというのが試合の中で1回出ちゃう」と石原が言うように、そういった綻びが見えてしまうことが毎試合あるのが現状だ。

「失点シーンはいつも言っているやられ方。予測、準備のなさでやられてしまったので、残念の一言に尽きる」

 山口智監督は予測と準備を課題に挙げる。例えば、1失点目を見ると、伊藤涼太郎から谷口海斗へパスが通った時、左サイドを田上大地が駆け上がったことで石原が田上と谷口を見なければいけない状況が生まれた。結果的にこれが決定的なシーンを生み出した原因となるが、山口監督はその前の部分にも問題があったという。

「WBとサイドのCBのところのスライドの準備が遅かった。かつ中盤に入ったところで誰もいかなかった。それに尽きると思います」

 新潟の右サイドバックからパスがライン間の小見洋太に入ったとき、湘南の守備の枚数はそろっていたにもかかわらず、ボールホルダーに誰も寄せることができなかった。慌てて小野瀬康介が横からアプローチするが、それによってフリーになった伊藤にパスが渡った。高橋直也が遅れて前に出るが、前述のとおり石原が相手2人を見なければいけない状況が生まれている。

「最後の場面がフォーカスされるんですけど、それは大前提でみんなわかっていることなので、もう1つ遡って防げるところがある。自分たちがやっていることなので、反省点に挙げたい」

 失点は最後に関わった人だけが原因ではなく、遡って原因を挙げていく必要がある。そして、原因は1つではなく、いろんな現象が重なって失点という結果が生み出されることを忘れてはいけない。

(取材・文:加藤健一)

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