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Jリーグ 11か月前

「本当に才能です」レオザが称賛する19歳の日本人MFとは?「Jリーグでもやれている選手はいる」

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

「ツボを押さえている」19歳のJリーガーとは?

左:ガンバ大阪に所属する半田陸、右:FC東京に所属する山根陸
【写真:Getty Images】



「半田陸と山根陸は、『蹴球学』でいう『正対』ができている。Jリーグだとクロス対応が曖昧なチームが多いんですけど、2人はCBの背中をカバーできている頻度が高い」

「ヨーロッパなら主流の考え方ですけど、アーセナル、リバプール、マンチェスター・シティがピンチを防いだシーンと失点につながったシーンを分析すると、(防いだシーンでは)ディフェンスライン全員で視野の外に置かないような対応をしている。それをやれるだけで失点は減るんですよ」

 21歳の半田陸はモンテディオ山形の育成組織出身で、今季からガンバ大阪でプレーしている。育成年代ではセンターバックもやっていたが、現在は右サイドバックが主戦場に。3月には出場機会こそなかったが、日本代表にも選出されている。

 19歳の山根陸は横浜F・マリノスの育成組織出身で、5月にはFIFA U-20ワールドカップにも出場している。ボランチの選手だが、チーム事情から今季のマリノスでは何度か右サイドバックとして起用されている。慣れないポジションでも原則に沿ったプレーができるのを、レオザは本職ではない左サイドバックでも器用にタスクをこなしたマンチェスター・シティのベルナルド・シウバを例に挙げ、「本当に才能です」と表現する。

「山根のプレーはツボを押さえている。Jリーグでもやれている選手はいる。もっと高いレベルで見たいなと思いますね」

 レオザは他にも、ヴィッセル神戸の本多勇喜、名古屋グランパスの中谷進之介の2人の名前を挙げ、「原則にのっとった動きをしているから頼りになる。普通の選手が背中をとられるところをとられない」と評している。

 すでに一流と言われるような選手に、原則の話は必要ないのかもしれない。ただ、才能ある選手を言語化することで見えてくるものがある。それに気づくことができれば、才能のある選手に肩を並べられる可能性が生まれる。『蹴球学』はそのような人のためにあるのかもしれない。

(取材・文:加藤健一)

書籍情報

蹴球学 名将だけが実践している8つの真理
著:Leo the football
構成:木崎伸也
刊行:KADOKAWA

Youtubeでリアルタイムで 試合分析を配信しているLeo the football
【写真:KADOKAWA】

Leo the football氏(上)、木崎 伸也氏(下)

Leo the football:日本一のチャンネル登録者数を誇るサッカー戦術分析YouTuber。
日本代表やプレミアリーグを中心とした欧州サッカーリーグのリアルタイムかつ上質な試合分析が、目の肥えたサッカーファンたちから人気を博す。サッカー未経験ながら独自の合理的な戦術学を築き上げ、自身で立ち上げた東京都社会人サッカーチーム「シュワーボ東京」の代表兼監督を務める。

木崎 伸也:「Number」など多数のサッカー雑誌・書籍にて執筆し、2022年カタールW杯では日本代表を最前線で取材。
著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『ナーゲルスマン流52の原則』(ソル・メディア)のほか、サッカー代理人をテーマにした漫画『フットボールアルケミスト』(白泉社)の原作を担当。

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