フットボールチャンネル

日本代表 11か月前

旗手怜央は何が変わったのか? W杯落選、欧州CL経験。サッカー日本代表で残した爪痕【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

久保建英へのアドバイス

キリンチャレンジカップ2023、エルサルバドル代表戦に出場した旗手怜央
【写真:田中伸弥】



 左SB森下龍矢、左WG三笘、FW上田という2019年のユニバーシアードでプレーしたメンバーに加え、アンカー守田英正、DF谷口の元川崎勢、東京五輪代表仲間の堂安らが気心の知れた面々が周囲に陣取り、この日の旗手は自分らしくプレーできる環境が整っていた。それが追い風となり、序盤から高い強度を前面に押し出せた。

 先制弾につながったFK時に「角度的にもファーなんじゃないか」と久保にアドバイス。それが得点という形で結実したことで、旗手は重圧から解き放たれたのかもしれない。そこからは普段、セルティックで見せているようなアグレッシブさが強く出るようになった。

 22分には自身のシュートの跳ね返りを上田が反応。これは惜しくも得点にならなかったものの、今季リーグ6得点のMFらしいパンチ力を感じさせる。28、34分にも思い切ったフィニッシュを披露した。本人も手ごたえを感じているようだ。

「ヒデ君(守田)が1アンカーで、インサイドが律と僕で、律はボール持てる選手だし、自分でも行ける選手なので、なるべくそこの動きを見つつも、やっぱり自分の良さはゴール前に出ていくところなので、ビルドアップで下がる下がらないっていうのはヒデ君と話しながらやりました。

 あとは左の龍矢や薫が持ったときにニアゾーンだったり斜めの位置に入る形はつねに意識をしていた。そういうところを話しながら自分の良さを出せたのかなと思ってます」

 後半に入ってからも森下・中村敬斗といい距離感で絡んで、森下の攻め上がりを引き出し、左サイドを活性化させていた。

 圧巻だったのは、後半9分に上田に出したスルーパス。久保からボールを受けた瞬間、旗手はDFのギャップを見逃さず、背後に抜け出す上田に鋭いパスをダイレクトで送った。こういったプレーは1年3カ月前にはあまり見られなかった。90分間、ピッチを縦横無尽に走り続け、左インサイドハーフの新候補として堂々と名乗りを挙げたと言っていい。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top