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日本代表 11か月前

遠藤航しかできないサッカー日本代表アンカーの仕事術。「個を最大限に引き出す」状況判断【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

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サッカー日本代表は20日、キリンチャレンジカップ2023でペルー代表と対戦し、4-1で勝利した。15日のエルサルバドル代表戦に続いて[4-3-3(4-1-4-1)]の布陣で戦い、インサイドハーフとウイングの4人の躍動が印象的だった。それを引き出したのはその背後でかじ取り役を担う遠藤航だった。(取材・文:元川悦子)


遠藤航「アンカーの仕事術」

アンカーで先発出場し、ペルー代表戦勝利に貢献した遠藤航
【写真:Getty Images】

 6月シリーズ最終戦となった20日のペルー代表戦。FIFAランキング20位の日本代表に対し、21位の相手ということで、試合前から拮抗したゲームが予想された。

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「南米のチームは1対1や球際が強いのは分かっていたし、そこで上回るのが自分の仕事」と新キャプテン・遠藤航も語気を強めたが、日本としては入りのところから高いインテンシティとアグレッシブに行く必要があった。

 4-3-3(4-1-4-1)の日本代表に対し、相手は4-4-2でスタート。だが、最終ラインは左サイドバック(SB)のマルコス・ロペス(3番)が高い位置を取ったり、両SBが高い位置を取ってウィルデル・カルタヘナ(27番)が下りて最終ラインを3枚にするなど、かなり流動的なスタイルを取ってきた。

 パスのつなぎも巧みで、ボール支配率では日本代表を上回っている。さらに開始早々の4分には、右サイドを抜け出した伊東純也を2枚がかりでストップ。日本代表のストロングポイントを消す意識も強く押し出してきた。

 しかし、そのままペルー代表に主導権を握らせておくわけにはいかない。日本代表としてはより組織的なプレスでボールを奪い、リズムを作るように努める必要があった。

 そこで効果的な働きをしたのが、アンカーの遠藤だった。序盤の5分に伊東が失ってつながれたボールを猛然と奪い返し、攻撃の芽を摘む動きを見せるなど、「中盤のおもし」としてデュエルの強さを遺憾なく発揮したのだ。遠藤の前には鎌田大地と旗手怜央のインサイドハーフ(IH)の新コンビが陣取ったが、旗手はボランチの位置まで下がることも多く、MF陣全体の守備意識は非常に高かった。

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