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日本代表 10か月前

サッカー日本代表が怠った作業。対戦国側から見た「スタッツには出ない」古橋亨梧の貢献【スペイン人指導者の視点3】

シリーズ:スペイン人指導者の視点 text by 川原宏樹 photo by Getty Images

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 6月のキリンチャレンジカップ2023ではサッカー日本代表の攻撃陣が大活躍し、2試合で計10得点を挙げた。エルサルバドル代表の分析を担当したアレックス・ラレア氏は、キープレーヤーを挙げるとともに、日本代表に対する周囲の評価基準についても言及している。(取材・文:川原宏樹)


【プロフィール】アレックス・ラレア

ダビド・ビジャが主宰するサッカースクール「DV7サッカーアカデミー」日本支部でディレクター・コーチを務めるアレックス・ラレア
【写真:Noa Koushima】

プロ選手としてカナダでプレーした後、指導者の道に進み、欧州最高位の指導者ライセンスUEFA PROを取得する。2020年からは元スペイン代表、元ヴィッセル神戸のダビド・ビジャが主宰するサッカーするクール『DV7サッカーアカデミー』日本支部のディレクター・コーチを務める。

【第1回はこちら】対戦国はサッカー日本代表をどう分析したのか? 分析担当が伝えた2つの忠告【スペイン人指導者の視点1】

【第2回はこちら】対戦国側から読み解くサッカー日本代表の意図。ビルドアップが「うまく機能していた証拠」とは?【スペイン人指導者の視点2】

サイドバックによる「チャンスを広げる仕事」



 これまで2回に渡って、DV7サッカーアカデミーでディレクター・コーチを務めるアレックス・ラレアが、6月に行われた日本代表戦に関して分析した内容を伝えてきた。大きなポイントとして「豊富な攻撃的タレント」と「ビルドアップ」をピックアップし、いずれも選手各々がうまくスペースを分配して良い距離感でプレーできていたと高評価。ペルー戦に至っては、ここ数試合の中でベストなゲームをしたと賛辞を送った。

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 それぞれ挙げたポイントの中で、いずれもキープレーヤーとなっていたのがサイドバックだという。

「伊藤洋輝はボールの前進とともに上がっていくタイプではないが、菅原由勢は三笘薫がボールを保持したときに飛び出していった。その動きは相手にラインを下げさせて縦に幅をつくる役割を担い、ボールを保持する選手にスペースを与える役割を担っていた。さらに、ボールを受けたときは、そこからもチャンスが広がるような仕事を遂行していた」

 サイドバックの動きがチームを機能させる上で、重要な役割を担っていたことを指摘している。前回のビルドアップを論じたときにも説明したが、上述のように縦の幅をつくる動きだけでなく、ビルドアップ時には横幅を取るような動きで、インサイドハーフのスペースもつくり出しており、技術的に優れた選手たちがプレーしやすい環境をサイドバックが演出していた。

 また、サイドバックがボールを保持したところで手詰まりとなり、そこからパスカットされるシーンがあったことについては、サイドバックの技術的な問題というよりもチームとしての取り組みの問題と分析している。

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