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サッカー日本代表がアジアで勝つためには? スペイン人指導者が考える「ラストピース」【後編】

シリーズ:フットボール批評オンライン text by 川原宏樹 photo by Getty Images

3人のFWが持つ異なる特徴



 森保監督のなかである程度はアジアカップのメンバーが固まっていると考察するアレックスに、いまだに序列の見えにくいFWについて聞いてみた。

「今回の2試合では浅野拓磨、古橋亨梧、上田綺世と3人のFWを起用しました。森保監督は誰か1人を固定するのではなく、相手や自分たちの戦い方に合わせて起用するFWを使い分けるのではないでしょうか。そのために吟味しているのだと思います」

 続けて、使い分ける理由についての考察を話してくれた。

「現在の日本代表FWにはそれぞれ異なるキャラクターを招集しています。たとえば、古橋は相手の裏を突くタイミングに優れた特徴があります。浅野にはスピードがあり、ドリブルの速さなどでボールを推進させられます。上田はポストプレーができ、空中戦でも力を発揮します。このように異なる特徴も持った選手を持った選手をわざわざ招集しているのです。そこから考えられることは、状況に応じて適したFWを起用したいという意図になります」

 加えて、FW3人の特徴をより詳しく教えてくれた。

「上田は前線でチームの的となり、時間をつくるプレーができます。また、空中戦に強くクロスやロングボールへの反応がよく、そのプレーのクオリティも高い。古橋は素早い動き出しからフリーになれます。そういったオフ・ザ・ボールの動きを駆使して、自分だけに限らずコンビネーションから味方を生かすことができます。浅野には大事な場面で得点できる勝負強い印象があります。その勝負強さに加えて、スピードに乗ったドリブルで膠着した状況を打破する力も持っています」

 このように異なる特徴を持つFWが複数人台頭する日本代表だが、アレックスは周囲の選手たちがキーポイントになると見解を示した。

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