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サッカー日本代表がアジアで勝つためには? スペイン人指導者が考える「ラストピース」【後編】

シリーズ:フットボール批評オンライン text by 川原宏樹 photo by Getty Images

フットボール批評オンライン 短期連載(2)

今月から始まるFIFAワールドカップアジア2次予選に先駆けて、8日にはサッカー日本代表メンバーが発表される。今後はアジア勢との戦いが続く中で、日本代表が結果を残し続けるために必要なものは何なのか。スペイン人指導者アレックス・ラレアが日本代表を分析する。(取材・文:川原宏樹)


【プロフィール】アレックス・ラレア

プロ選手としてカナダでプレーした後、指導者の道に進み、欧州最高位の指導者ライセンスUEFA PROを取得する。2020年からは元スペイン代表、元ヴィッセル神戸のダビド・ビジャが主宰するサッカースクール『DV7サッカーアカデミー』日本支部のディレクター・コーチを務める。

ダビド・ビジャとアレックス・ラレア
【写真:川原宏樹】

国際トーナメントで戦術よりも大切なこと

  10月のFIFAインターナショナル・マッチ・カレンダーでの2試合は、翌月以降に控えたFIFAワールドカップ26アジア2次予選やAFCアジアカップに向けた意味合いの濃いマッチメークだった。前回は、それを踏まえたうえで『DV7サッカーアカデミー』で指導するアレックス・ラレアの分析結果を伝えた。今回はこれから迎えるアジア勢との戦い、特にアジアカップで勝利するにはどうすべきかをテーマに話してもらった。

 1月に開催されるアジアカップは、昨年のワールドカップ以来約1年ぶりとなる国際大会になる。そういった長丁場になる大会では戦術も重要になるが、何よりもコンディション調整が大切になると、アレックスは主張する。

「国際トーナメントは基本的に一発勝負になります。そういった大会で勝利を目指す選手にとって、コンディション不良は許されないわけです。自分たちがいい感覚でプレーできるように努めなければなりません。監督やコーチは、その状態でプレーできる選手らをベースにして戦術などを組み立ていきますよね。となると、コンディション調整は戦ううえでの根幹になり、戦術よりも大切なことといえるでしょう」

 ここ1年の親善試合で日本代表は選手同士の理解を深め、連動性の向上を目指して強化を図ってきた。そう分析しているアレックスは、それらのさらなる向上に加えて、コンディション調整においても、日本代表はポジティブな面を有していると見ている。

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