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誰も得しないアジア2次予選。「勝つ気がない」ミャンマーと「価値がない」サッカー日本代表

text by 編集部 photo by Getty Images

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【写真:Getty Images】



ミャンマー代表にそもそも勝つ気はなかった

 サッカー日本代表は16日、FIFAワールドカップ26アジア2次予選兼AFCアジアカップサウジアラビア2027予選でミャンマー代表と対戦し、5-0の大勝を収めている。90分間に渡り集中力を切らさず戦った両者にはリスペクトすべきだが、やはりアジア2次予選の存在意義については改めて考えるべきだろう。



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 戦前の予想通り、ミャンマー代表戦はハーフコートゲームだった。日本代表の支配率は80%を超え、シュート数は30本以上。対してミャンマー代表のシュート数は0本だった。スコア以上にレベルの差があったと言わざるを得ない。

 次回ワールドカップから出場国が増加することで、アジア枠も「8.5」に広がった。それを受け、アジア2次予選ではこれまでと違い、グループの成績上位2ヶ国すべてが自動で3次予選に進めるようになっている。そのため、ミャンマー代表のような格下は全力で2位通過を目指してくる。日本代表のような強豪国相手には勝つことではなく、いかに失点を減らせるかに焦点を当てて試合に臨む。

 実際、ミャンマー代表は5-0と大差をつけられてもなお、GKが時間稼ぎに出ていた。また、試合後にはミャンマー代表を率いるミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督が「負けてもハッピー」と発言し、「(最初から日本代表に)勝てるとは思っていなかった」ともコメントを残している。「次戦からは“サッカー”をしていきたい」という発言は、暗喩的に日本代表との戦い方が“サッカー”らしくなかったと捉えられてもおかしくないものだろう。

 もちろんW杯を知らない格下にとって出場枠が広がったのは希望だが、日本代表のような強豪国の選手のアジア2次予選に向けたモチベーションは難しい部分がある。FW上田綺世は「相手の監督の会見内容もチラッと聞きましたけど、勝ちに来ているわけじゃないと。0-5で負けていようと時間を稼ぐし、そこまでしてくると思わなかった」と驚いた様子。さらに代表キャリア初のハットトリックを達成しながら「正直、相手が相手なので、そこまでの価値はないような気がしてしまう」ときっぱりだった。

 そもそも勝つ気のないチームを相手にし、選手自身も「価値がない」と感じてしまう新・アジア2次予選は日本代表ら強豪国にとってなんなのか。ドン引きする相手を崩す練習といえば聞こえはいいが、その中にもレベルの差は存在する。まだ年代別代表との紅白戦の方が強化につながるはずだ。

 オーストラリア代表はバングラディッシュ代表に7-0、韓国代表はシンガポール代表に5-0、カタール代表はアフガニスタン代表に8-1で勝利している。強豪国についてはアジア2次予選という段階を踏む必要があるのだろうか。FIFAランキング下位のチームからすれば不平等に思えるかもしれないが、そうは言っていられないほどレベルの差が現状ありすぎる。

 アジア枠の拡大によって、日本代表のW杯出場権獲得の難易度はガクッと下がった。ほとんど本戦行きが確定していると言っても過言ではないほどだ。本当にまだ2次予選を戦う必要があるのだろうか。

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【了】

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