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コラム 1年前

田中碧はドイツ2部に留まる選手なのか。25歳で迎える分岐点。サッカー日本代表で「パフォーマンスを出せる環境」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

サッカー日本代表の出来を左右する田中碧のかじ取り



 タイ戦で田中碧がまずやるべきなのは、ボランチで並ぶであろう佐野、トップ下の伊藤涼太郎との良好な関係性を構築すること。ボール奪取力や対人守備に秀でる佐野がやや後方に位置し、田中碧がやや前目で伊藤涼太郎と絡みながら攻めを構築するようなバランスになると見られるが、彼の舵取り1つで中盤が機能するか否かが決まると言っても過言ではない。

 これまでは年長の遠藤らにやりやすい環境を用意してもらっていた田中碧だが、今回は自分が遠藤らの果たしている役割を担わなければいけない。より高度な戦術眼と統率力を発揮し、チームをスムーズに動かすことが肝要なのだ。

「若い選手も多いし、チームのことを考えてやることとか、声を出すのも大事ですけど、自分のプレーを出すことが一番。重く考えすぎる必要はないのかなと思います。1人1人が持っているものを出して、試合を優位に進めることがいいパフォーマンスを出せる環境につながる。

 あとは距離感も大事になりますね。近い選手との距離感を調整できれば、いいリズムになる。自分が顔を出しながら時間を進めたり、立ち位置を修正したりすることを考えながらやっていきたいです」と田中碧は自分のやるべきことをクリアにしながら、試合に入るつもりだ。

 長く共闘してきた選手がほとんどいない中、連動性の高い攻撃を見せるのは非常にハードルが高い。だからこそ、田中碧はそれぞれの特徴にフォーカスし、ストロングを前面に押し出すことでゴールに迫っていこうと考えている。

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