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日本代表 4か月前

生き残るために…。佐野海舟がサッカー日本代表で明かす“本音”。以心伝心のパスと「ずっと狙っている」プレー【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Shinya Tanaka

「ミスが多かった」佐野海舟が反省したのは…



「自分のボールタッチの感触があまりよくなかったし、単純なミスも多かった。前半を終えて(田中)碧くんと『距離感やパス交換の部分で、もっとリズムを作ろう』という話をしていたなかで、後半になって流動性が出てきて、スピード感も上がったと思っている。そこはよかった点だと思います」

 伊藤に代わって堂安律、同じく代表デビュー戦の奥抜侃志に代わって中村敬斗がキックオフとともに投入された後半。流動性が生まれた日本代表は、51分に田中碧が先制点を決める。さらに61分。2点目を予感させたシュートが、6万1916人で埋まった国立競技場のスタンドを沸かせた。

 中村が放った強烈な一撃が、右ゴールポストを直撃した惜しい場面。これを巻き戻していくと右サイドバックの毎熊晟矢の攻め上がりからのクロスに、さらには佐野の縦パスに行き着く。

 ハーフウェイラインのやや後方、自陣の右サイドで伊東純也から短いパスを受けた佐野はまず前を向き、次にフェイントを入れて対峙してきたタイの選手を軽やかにかわした。そして次の瞬間、右タッチライン際で高い位置を取っていた毎熊を、さらに前へ走らせる絶妙のパスを供給していた。

「後半はよりシンプルにプレーしようと思っていましたし、特に自分のところで相手を一枚剥がすのは常に意識しているプレーなので。そこはもっともっとチャレンジしていきたい」

 攻め上がった毎熊が、ややマイナス方向へのグラウンダーのクロスを選択。左サイドから中央へ侵入してきた中村が、ノーマークの状態から右足を振り抜いた場面の起点になった一連のプレーを佐野はこう振り返っている。守備を固められた相手ゴール前で、いかにして味方がノーマークとなる状況を作り出せるか。タイ戦へ向けた合宿で取り組んできたトライが形になったのは72分だった。

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