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日本代表 4か月前

「リバプールより…」遠藤航がこだわる「小さな積み重ね」サッカー日本代表を支える6番の仕事術【アジアカップ2023コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

毎熊晟矢のスーパーミドルをおぜん立てした“読み”



 日本代表ペースで試合が進む中、先制点を挙げたのは31分。左サイドの中村敬斗から中盤でパスを受けた遠藤は中央に絞っていた毎熊晟矢に展開。次の瞬間、背番号16は強烈ミドルをお見舞いした。これが左ポストを直撃し、跳ね返りに鋭く反応した堂安律がゴール。つなぎ役・遠藤のいい味が出たシーンでもあったが、遠藤はゴールまでの流れを読んでいたという。

「タケ(久保建英)のポジションをずっと見ていて。左に流れて数的優位を作れていたので、サイドを変えると言うよりは、そこをシンプルに使ってもいいのかなと。相手も左側に寄っていたし、真ん中にスペースがあったので、マイク(毎熊)に出せばミドルが打てるかなと思った」

 その後、旗手怜央が負傷するというアクシデントがあり、守田英正が急遽登場することになったが、中盤のバランスが崩れることはなかった。1-0で折り返した後半も日本代表は試合の主導権を渡さなかった。久保が早い時間帯に2点目をゲットし、ほぼ勝負が決まったような雰囲気になった。

 そこで相手の戦意を喪失させるような展開に持ち込めなかったのは反省材料だ。リスタートから1失点し、冨安健洋も「2点目が入ってシンプルにボールを失うシーンがかなり増えて相手に流れを渡したんで、僕も含めそこは後ろの責任。課題が残った部分であると思います」と反省しきりだった。

 遠藤も「攻守両面において改善すべきことはまだまだある」と指摘したが、彼の中では「結果的に勝てばいい」といういい意味での割り切りが常にある。だからこそ、少々のことでは動じない。この1失点の後も中盤からチームを落ち着かせ、リスク管理を意識しながらプレー。上田綺世の3点目が生まれ、5-4-1のブロックを敷いて守備固めに入った後も堅実なゲームコントロールを心がけていたように見受けられた。

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