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橋岡大樹はどう起用されるのか? 待ち受ける3人のライバル。新天地ルートン・タウンの戦術は…【コラム】

シリーズ:コラム text by 内藤秀明 photo by Getty Images

緊急時のオプションは?



 2つ目の可能性は3バックの右だ。このポジションは元U-20イングランド代表テデン・メンジがレギュラーを務めている。メンギはマンチェスター・ユナイテッドの下部組織出身で、対人守備とカバーリングの両方で高いクオリティを備えるプレーヤーだ。今季がプレミアリーグ初挑戦ながら22節終了時点で16試合に出場し、安定したパフォーマンスを続けている。筆者が取材したルートンサポーターも「バークリーに次ぐ価値をチームにもたらしている移籍」と絶賛しており、信頼の高さが伺える。

 橋岡は浦和レッズ時代やシントトロイデン時代に3バックの一角で使われた経験もあり、このポジションで十分なクオリティを発揮できるだろう。とはいえ今季好調のメンジを押しのけて起用されるとは考えにくく、あくまでも3バックの右は緊急時のオプションになりそうだ。

 橋岡のポジションは現時点で特に手薄という状況ではないが、とはいえクラブはこの日本人選手を雑に獲得したわけではない。というのもロンドン北部に位置する小クラブは、テクニックやフィジカルだけでなく、ロッカールームでの振る舞いのような、メンタリティの部分を重要視しているという。

 橋岡はこれまで所属してきたクラブで、明るいキャラクターやひたむきな姿勢でチームメイトからもファンからも愛されている。世代別の代表に呼ばれた際もムードメーカーとしての役割を果たしていた。

 どんな状況でもプレミアリーグへの初挑戦は簡単ではない。ただし橋岡なら、そして前向きで熱気たっぷりな本拠地ケニルワース・ロードでなら、我々の期待以上の結果を残してくれるのではないだろうか。今季のハッターズ(ルートンの愛称)が既に体現してきたように。

(文:内藤秀明)

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【了】

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