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優勝候補はどこだ! 欧州CL戦力値ランキング1~8位【ベスト16決定版】最新メンバーを分析。期待できるのは?

シリーズ:欧州CL戦力値ランキング text by 編集部 photo by Getty Images

7位:アトレティコ・マドリード(スペイン)

アトレティコ・マドリード
【写真:Getty Images】


監督:ディエゴ・シメオネ(12年目)
23/24欧州CLグループリーグ成績:4勝2分0敗(1位)
戦力値:80(攻撃力21、守備力20、選手層20、勝負強さ19)

 ディエゴ・シメオネ監督の長期政権となっているアトレティコ・マドリードが7位にランクインした。昨季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)はまさかのグループリーグ敗退という悲惨な結果に終わったが、今季はラツィオ、フェイエノールト、セルティックと同居したグループで6戦無敗の成績を収め、堂々とベスト16に名を連ねている。早くもラ・リーガ優勝が難しくなった中、クラブ史上初のビッグイヤー獲得に向け士気が高まっているところだろう。

 今季のアトレティコは3-5-2をベースに戦っている。守備時は両ウィングバックを下げた5バックの形になるため、これまでのシメオネ采配を振り返ると“守備的”と想像しがちだが、実際の姿はかなり攻撃的。その証拠とも言うべきか、CLグループリーグではマンチェスター・シティに次いで2番目に多い17得点を奪ってみせた。この原動力となっているのがアントワーヌ・グリーズマンとアルバロ・モラタの2トップで、前者はここまで公式戦35試合で18得点、後者は同33試合で19得点と大暴れしている。ただ、直近の試合でモラタが負傷し、長期離脱の見込みとなったのは痛手。ここをうまくカバーできるかがCLで勝ち残るためのカギとなりそうだ。

 一方の守備は軟弱ではないものの、隙があるのも事実。とくに5-3-2で撤退した際の強度が十分ではなく、今季は逃げ切りに失敗することが多々起きている。後ろに重くなる分、2トップが相手センターバックにプレッシャーをかけられず、自由にボールを持たせていることが問題で、さらには中央に人が集中しているためサイドに空いたスペースを楽に使われてしまう。そこから弾き返せればまだ良いものの、最終ラインに人数を揃えているだけの状態であり、危険なシュート、あるいは失点を防げていない。このあたりは、ディエゴ・ゴディンのような絶対的リーダーの不在も影響しているかもしれない。

 これらの課題を踏まえると、シメオネ監督には先行逃げ切りではなく、最後まで強気な姿勢を貫くことが求められるだろう。主力、控え関係なく、アルゼンチン生まれの闘将のもとにはそれを体現できるだけのタフな人材が揃っている。2016/17シーズン以来となるベスト4、そしてその先に待つ悲願のビッグイヤーへ。名将の手腕が試される。

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