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塩貝健人は横浜F・マリノスを「勝たせる」選手に。「自信はずっとあった」慶応大学と両立しながらプレー

text by 編集部 photo by Getty Images

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横浜F・マリノスFW塩貝健人
【写真:Getty Images】



19歳の塩貝健人が初ゴール


 明治安田J1リーグ第8節、横浜F・マリノス対湘南ベルマーレが13日に行われ、2-2の引き分けに終わった。10日のガンバ大阪戦でJ1デビューを飾った塩貝健人は、J1初先発となったこの試合でJ1初ゴールを決めている。19歳の塩貝は慶応大学に在学しながら特別指定選手としてマリノスでプレーしている。


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 松原健のロブパスに反応した水沼宏太が右サイドからペナルティーエリアに侵入し、ラインすれすれのところでゴール前に折り返すと、塩貝がワンタッチで押し込んだ。3日前にJ1デビューを果たしたばかりの19歳が、J1初先発の試合で初ゴールを記録した。貪欲な姿勢がもたらしたゴールと言えるかもしれない。初ゴールを決めたときの気持ちを尋ねると、「もう1点取りにいこうと思いました」と明かした。

 試合後の表情からはゴールを決めた喜びより、チームを勝たせられなかった悔しさが上回っているようにも見える。「もう1点取りにいこう」と思ったのにも理由がある。

「決め切れるシーンが2本あったので、そこを決めていたら勝ってたんじゃないかなっていう風に思う。勝てなかった原因は自分が決められなかったっていうのもある。それを次に繋げればいいので、しっかり反省して次は決められるようにしたい」

 その中でも、「一番いいシーン」に本人が挙げたのは自身が挙げたゴールではなく2点目の場面だった。右サイドで水沼がボールを持った瞬間、塩貝は縦に抜けようとスプリントした。水沼が逆サイドの小池裕太へのパスを通し、これが得点へとつながるのだが、塩貝が縦に走ったおかげで2人のDFを引き連れて小池をフリーにしている。

 ガンバ戦ではウイングでの出場だったが、この日は「本職」のセンターフォワードで起用された。「最近点を取れるイメージがだんだんついてきた」というクロスから得点が生まれたことは、塩貝自身にとって大きな収穫と言えるだろう。そして、ここまでフル稼働を続けていたアンデルソン・ロペスの代役を務めた塩貝がゴールを決めたことは、マリノスにとっても良いニュースになる。

 今後も慶応義塾大学ソッカー部の活動と両立していくことになるが、「在籍している慶応で出番がくるとしたら、チームのために点を取って走るだけ。いい具合に両立できたらなっていうに思います」と意気込んだ。

「自信はずっとあったんで、そのタイミングをずっと待っていたし、チャンスが絶対どこかで来ると思っていた。いい時も悪い時もあると思うんですけど、積み重ねが大事だと思わされた」

 ガンバ戦後には「ファンの心を掴みたいし、応援される人間になりたい」と話していた塩貝。1つひとつ積み重ねながら、塩貝はマリノスを「勝たせる」選手へと成長していく。

(取材・文:加藤健一)

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