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Jリーグ 6か月前

3分間に凝縮された復活のヒント。北海道コンサドーレ札幌は何が変わったのか?「監督から指示は出ていた」【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

わずか3分の間で見せた復活のヒント



 実はこの得点シーンまでに、札幌は立て続けに磐田陣内まで攻め込んでいた。1つ目は中盤でDF馬場晴也がボールを奪ったところから浅野に渡り、駒井が縦パスを受けて走り込もうとしたが、ディフェンスに当たってCKを得た。そのクリアボールから磐田に攻め込まれるが、マイボールにすると再び縦に攻めて、MFスパチョークを起点に右外から近藤友喜が縦に仕掛けるシーンが生まれた。

 ここはリカルド・グラッサのカバーに阻まれたが、直後のスローインから浅野、スパチョーク、駒井がボックス内で磐田に襲いかかった。この攻撃も再びクリアされたが、札幌はまだ手をやめず、クリアボールを回収して菅大輝の縦パスを受けた駒井がディフェンス裏に素早く出すと、浅野が磐田DFリカルド・グラッサと松原后の間から裏抜けして、折り返しを駒井がシュートに持ち込む。結果としてシュートは上手くミートできずにゴールキックとなったが、この攻撃の形は勢いがある時の札幌のそれだった。

 この一連の流れは時間にすると、わずか3分間で起きていた。ここは札幌にリズムが大きく傾いていた時間帯であり、磐田側から見ると、自陣でボールを回して落ち着かせるなど、相手の勢いを断ち切るべきだったが、実際はGK坪井から前線のマテウス・ペイショットめがけたロングキックの選択をしたことが、札幌の得点シーンを招く結果となったわけだ。この日、再三のビッグセーブで札幌の追加点を阻んだ坪井も、この失点にいたる流れで札幌の勢いを断ち切れなかったことを要因にあげていた。

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