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Jリーグ 2か月前

このスタイルで勝つには? アルビレックス新潟の問題となるビルドアップ“後”のフェーズ【戦術分析コラム】

シリーズ:戦術分析コラム text by らいかーると photo by Getty Images

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 2022シーズンの明治安田J2リーグを制したアルビレックス新潟は、J1・10位と昇格1年目の昨季に上々の成績を残したが、今季は16位と苦戦を強いられている。さらに、ボール保持を得意としながら、今季19得点はリーグ13位。新潟の制度設計をひも解きながら、生じている歪みを突き止めていく。(文:らいかーると)

著者プロフィール:らいかーると

1982年、浦和出身。とあるサッカーチームの監督。サッカー戦術分析ブログ「サッカーの面白い戦術分析を心がけます」主宰。海外サッカー、Jリーグ、日本代表戦など幅広い試合を取り上げ、ユニークな語り口で試合を分析する人気ブロガー。著書に『アナリシス・アイ ~サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます~』『森保JAPAN戦術レポート 大国撃破へのシナリオとベスト8の壁に挑んだ記録』がある。


魅力的なアルビレックス新潟のスタイル

アルビレックス新潟の堀米悠斗
【写真:Getty Images】

 J1に定着しつつあるアルビレックス新潟。アルベル監督経由で松橋力蔵監督によって成立したボール保持を基調とするサッカーは、Jリーグでも目立った存在となっている。実際に本間至恩、伊藤涼太郎、三戸舜介と攻撃的な選手を育て仕上げるスタイルは、ボールを保持するサッカーを目指している選手にとっては魅力的に映るに違いない。

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 そんな新潟は今季も得意のボール保持率の高い試合を展開しているが、降格圏内にこそいないものの、残留争いの渦中にいると考えるほうが適切だろう。

 予算規模を考慮すると、新潟がリーグ戦で優勝する可能性は限りなく低いだろう。カップ戦はワンチャンあるかもしれないが、リーグ戦を優勝するために「ときには自らのスタイルを捨ててでも勝ち点を拾いに行くスタイル」や「試合やシーズンによって、自分たちのスタイルがくるりと変化すること」は新潟に適さないかもしれない。自分たちのスタイルを捨てることは、選手を獲得するための条件でブレてしまうかもしれないからだ。

 新潟のような状況のチームにとって大切なことは、自分たちのスタイルで結果を出すためにはどうしらよいか?と、自分たちのスタイルを妥協するとしたら、どこまで妥協が許されるか?となる。今回の隔週Jリーグのコーナーでは上記の視点で新潟について振り返っていきたい。

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