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「BoS理論」が現役Jリーガーに与える影響。「監督が何を志向し、何を求められているかを理解する」【コラム】

シリーズ:フットボール批評オンライン text by 岡田優希 photo by Getty Images

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 主に欧州からサッカーの様々な理論が日本にたどり着いて久しい。ドイツの理論をまとめた『サッカー「BoS理論」 ボールを中心に考え、ゴールを奪う方法』(河岸貴著/カンゼン刊)は、Jリーグでプレーする現役サッカー選手のプレーにどのような影響をもたらすのか。(文:岡田優希)

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評者プロフィール

岡田優希(写真提供:奈良クラブ)
【写真:奈良クラブ】

岡田優希(おかだ・ゆうき)
1996年5月13日生まれ、神奈川県出身。18歳まで川崎フロンターレの育成組織に所属し、同期の三好康児や板倉滉とプレー。早稲田大学を経て2019年にFC町田ゼルビアに加入して3シーズン在籍。2022シーズンはテゲバジャーロ宮崎、2023シーズンはギラヴァンツ北九州、今季は奈良クラブでプレーする。フットボールチャンネルでは、サッカー本を読んで自身の経験を綴る書評を行っている。過去の記事はこちら


<書籍概要>『サッカー「BoS理論」
ボールを中心に考え、ゴールを奪う方法』

BoS理論
【写真:編集部】

著・河岸貴 刊・カンゼン
定価:1,980円(本体1,800円+税)

大きな影響を与えてきたドイツサッカー

 世界のサッカーシーンやトレンドの変化は目まぐるしいが、いつどの時代にもブンデスリーガのチームや、ドイツ人監督が大きな影響をもたらしている。

 2023/2024シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)のベスト4には、ドイツから2チームが名乗りを挙げ、ドルトムントは11年ぶりに決勝に進出した。

 12/13シーズンのドルトムントには香川真司選手も所属していた。ユルゲン・クロップ監督が志向する「ゲーゲンプレス」は時代を席巻し、のちにリバプールではそれをさらに発展させてプレミアリーグ制覇、そしてCL制覇へとチームを導いている。

 その11年前の決勝でドルトムントを下して欧州王者に輝いたバイエルン・ミュンヘンは、19/20シーズンにも同大会を制した。ブンデスリーガにおいては、今季こそ優勝を逃したものの11連覇を成し遂げている。また、バイエルンの主力を多く擁するドイツ代表は、2014年ブラジルワールドカップの準決勝でブラジル代表を7-1という衝撃的なスコアで破り、世界に大きな衝撃を与えて世界一に輝いた。

「もし、本書を手に取った方が日本のサッカーに満足しているならば、本書を読む必要はないでしょう。しかし、例えば、日本のサッカーを海外のサッカーの間にある歴然とした相違を感じている方には、その違和感の解消に役に立つかもしれません。」(p6)

 導入の一部分を読めば、単なるドイツサッカーの解説書のように思える。しかし本書は、河岸貴という男がおよそ20年前に単身海を渡り命からがら手に入れた、ドイツサッカーの強さの根源となる守備理論を解き明かす貴重な一冊である。

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