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Jリーグ 1か月前

「綺麗なサッカーは求められていない」FC町田ゼルビア、首位陥落。昌子源が抱いていた予感とは「一回あるかも」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「僕たちは絶対に上にはいけない」

 現時点で9ゴールをあげて、キャリア初の2桁到達に王手をかけている藤尾は、パリ五輪から復帰後は5試合で1ゴール。そのジュビロ磐田戦で町田は4−0と快勝し、不発だった4試合は3分1敗とわかりやすい構図ができあがっている。エースの宿命を背負うように、藤尾は浦和戦後にこう語っている。

「いいところには入れているんですけど、決めないと意味がない。難しいシュートでもやはりチャンスはチャンスなので、それがチームを勝たせるためのシュートであればなおさらそこで決めないといけない。やはり決定力の部分ですね。チャンスはあるので、そこで決めればディフェンス陣も楽になるので」

 さらに追われる立場から追う立場へと変わった残り9試合で、チーム全員へリバウンドメンタリティーの必要性を説いた。

「(黒田剛)監督も試合後に話していたことですけど、町田のコンセプトというものをもう一回、しっかりと思い出して、泥臭く戦っていくしかない。町田には綺麗なサッカーは求められていない。広島さんとは直接対決も残っているし、そこで勝つと負けるとではまた大きく展開も変わってくるので、それまで僕らも何としても彼らに食らいついていく。追う立場でのメンタルというのももしかすると僕らに味方する可能性もあるけど、広島さんがどこかでつまずいてくれと願っているうちは、僕たちは絶対に上にはいけない。ここからは自分たちに矢印を向けないと何も変わらないので、一戦一戦をしっかりと戦っていきたい」

 広島にはホームの町田GIONスタジアムで4月3日に行われた第6節で、今シーズン初黒星を喫している。そして、今月28日には敵地・エディオンピースウイング広島で第32節が待つ。リベンジを期す直接対決を今シーズンの天王山とするために、町田は挑戦者という原点に回帰して再出発を期す。

(取材・文:藤江直人)

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