「スタイルを築き上げてくれたミシャさんを…」
「私は7シーズンにわたって札幌で仕事をしてきた。クラブスタッフは常にいいサポートをしてくれて、パートナー企業も常にクラブを支えてくれた。選手たちも全力で戦ってくれた。本当に感謝しかない」
降格を覚悟しているようにも映る指揮官は結果にかかわらず、今シーズン限りでの勇退が決まっている。そして、浦和に移籍した2016シーズン以降のキャリアが、ミシャの愛称で親しまれるペトロヴィッチ監督のそれとほぼ一致する駒井は、胸中に秘めている特別な思いを試合後に明かしている。
「本当にお世話になった監督ですし、札幌というチームでひとつのスタイルを築き上げてくれたミシャさんを、いい形で退任させてあげたい、という気持ちは全員がもっている。もちろん状況が厳しいのはわかっているけど、何とかそれを実現できるように、みんなで強い気持ちをもって臨みたい」
J2でプレーする駒井に惚れ込み、浦和へ獲得を進言したのがペトロヴィッチ監督だった。浦和で出場機会を失った2017シーズン後半から一転、2018シーズン以降の札幌で再び輝かせてくれたのも、前年夏に浦和を解任され、約半年間の空白をへて札幌を率いたペトロヴィッチ監督だった。駒井が決意を新たにする。
「今日の結果は物足りなかったけど、それでも可能性が完全にゼロになるまであきらめるわけにはいかない。僕たちが大差で次の試合に勝てば、最終節では柏との直接対決が残っている以上は可能性がある。
サッカーはやってみないとわからないスポーツだし、だからこそ今日の後半のような、相手ゴールにどんどん迫っていく戦いを前半から貫き通したい。自分たちで道を切り開けると信じて、準備していくだけだと思っています」
代表ウィークなどで約3週間空く次節で、柏は首位のヴィッセル神戸と、札幌は2位の広島と対戦する。そして、ホームのプレミストドームで来月8日に待つ最終節の相手は、今年5月の対戦で駒井が今シーズン初ゴールを決めながら、キャリアで唯一の黒星を喫した柏。
恩師ミシャへの感謝と柏に借りを返す決意を、奇跡を手繰り寄せる力に変えるために、札幌をけん引する小さな闘将は心身のエネルギーを充電していく。
(取材・文:藤江直人)
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